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接触①
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ある日の事だ。
俺は一日の仕事を終え部屋に戻ってから風呂に入った。風呂はドストミウルの部屋の中にある。さすが部屋に風呂付きとは王の部屋なだけはある、と言ってもお化け屋敷の部屋だし清潔で豪華かと言うとそうではない。
まあいいのだ、魔力動源でお湯が出れば十分さ。
丁度風呂から上がってきた時に、ドストミウルも帰宅した所だった。その日はお湯に浸かりすぎて少しのぼせたからと、パンツ一丁でソファーに座っていた。
「あ、おかえりボス。」
「カノル...寒くないのか。」
「あん、温まりすぎちゃってさー。」
ドストミウルが近寄ってくると俺はこんな少しだけ嫌な予感がして後ずさった。
そして熱で温まった俺の顔を覗き込む。
「触れてもいいかね。」
「風邪ひかない程度でやめてくれれば。」
ドストミウルはいつものように俺の胸に顔を寄せる。
温度差がある分いつもより冷たく感じる。
「鼓動が少し早いな。」
「そりゃ風呂上がりだからな。」
「最近は落ち着いていることが多い。初めの頃は早かったのだ。」
「毎日のようにされれば慣れんだよ。」
しばらく頭を当てられているとドストミウルの額に俺の体温が伝わって冷たさを感じなくなる。
「ははっ!?ちょっ、何すんだよ!!」
急に脇腹を指でなぞられた。
俺はくすぐったさに身をよじる。
「慣れないことをすれば少しは鼓動が変わるのかと思ってな。」
「適当な事思いつくなよな…」
今度は腿に指で線を書かれる。そこはくすぐったくはなかったが、優しい触り方に少し毛が逆立つようだった。
「む、」
「そこは平気。」
ドストミウルは何を思ったのか俺の体の色々な所を撫で始めた。
腿からふくらはぎ、足の甲をなぞりすねを通って腹に触れる。
そして下着の上から股間に触れた。
俺は思わずドストミウルから避けるように体の向きを変えた。
「おい!」
「どうした。」
「そこはアウトだろうが、普通。」
「そうか...」
ドストミウルは何故か肩を落としたように見えた。
「もう終いかね。」
「変な所触らないならいいぜ。」
ドストミウルはこくりとうなづいた。
そしてまた抱きつくように体を寄せた。
まったくこいつは何を感がているんだか...、悪気はないのは分かるんだけどすっとぼけておかしなことをしてくる時もあるからなぁ。
珍しく他人に色々なところに触れられたもんだから、少し身体が疼くような感じがした。
こういうじゃれ合いは家族間でもほとんどしたことが無いからなんだかもどかしいような、むずがゆいようなで変な気分だ。
「アンデッドってさ、性欲ねえの?」
ふと、浮かんだ疑問をなんでもないように口にしてみた。
「基本的にはない。異性への欲を持つものも居るが何をしようにも肉体が生きているそれとは違うから、大したことは出来ないのだ。」
なるほど、確かに幽霊とか腐った肉体じゃまともな事は出来なそうだ。
「そういうとこ楽そうだよな。」
「カノルは楽ではないのか。」
カノルは少し下唇に力を入れた。
「あんたは人間だったのかは知らないから感覚がわかるか知らないけど...男は溜まるだろ。」
ドストミウルは顔を上げた。
「人間の女でも捕まえて来れば良いかね。」
「ふざけんな、訳の分からないやつの相手するくらいなら一人でするからいいっつの。」
カノルは不機嫌そうな顔をした。
これは本気でそう思ってる事だ。そういうことは割り切れる方だがどうしてもって時もある、だからって知らない奴とするのは違うと思うし嫌悪感さえ抱くくらいだ。
「では、私が手伝おう。」
ドストミウルの謎の提案に俺は首を傾げた。
「あのなぁ、なんでアンタにそんな事までやってもらわなくちゃいけない訳?」
笑うように息を吐きながらカノルはそう言った。
「私は訳の分からないやつではないだろう。」
ドストミウルは立ち上がると人の姿に変身した。
「いいから、本気でやめろ。」
そう手を出して静止する。
「少し体に触れるくらいは良いだろう?」
それでも体を近づけてくるドストミウルの肩に足を当てて接近を阻止する。
「アンタの少しって、加減が分かってないんだよ!」
「嫌かね?」
目の前の金髪のおじ様は、なんだか楽しそうに微笑んだ。
俺はもちろん、男色の趣味はない。
そいういのは理解できないし、理解したいとも思わない。
ただ溜まっていたのもあるし、あの魔王四天王で死の王なんてすごい肩書きの化け物を少しからかってやるくらいなら面白そうかもとは思った。
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