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グローディア様は勉強中①
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私は悩んでいた。
カノルの鼓動を感じるには触れ合うのが一番いいと分かった。カノルも私を拒否せずに触れされてくれるのは良いだが、もっとカノルに喜んでもらいながら深く感じられる方法はないのかと私は考えていた。
この間も布団の中でカノルに触れたら痛みを感じさせてしまったようで怒られてしまった。
人のように痛みに敏感ではない私にとって力加減は非常に難しい。人が人にどのように触れ、どのくらいの力加減で接するのかを知りたい。
「人間の町で勉強してくるのはどう?あるみたいだヨ、そういう事詳しい人間達の交流場って!」
ある時そう教えてくれたのはギャリアーノだった。私よりも幾分人間に近い彼は人間の知識も豊富だ。
ある晩、私は意を決して人間の夜の町へと繰り出した。
仕事では無いと言うのに屋敷に戻らず一人で行動するのにはやや背徳感を抱いたが、仕方あるまい。これもカノルの為だと思えば大したことは無い。
闇の中、華やかでいて深い雰囲気の町。細い路地を進むと、魔力動源の光で作られた電飾で飾られた看板があちこちで人を招く。
肌を露出した女が男に声をかけ、派手なスーツの男が女を誘う。
私も数度声をかけられたが振り払って目的の店を探した。
人間の体を知るには人間に聞くのが一番だ。そしてカノルは男性だから、男性の体をよく知るものに話を聞きたい。だが、普通の話ではいけないのだ。男性が男性に深く触れる時の掟を知らなければならない。
私はさらに深い路地に入り目的の店を見つけた。
こういう場所はあまり慣れていないので、不審がられたら面倒だ。だが、誰にでも初めての事はある。
意を決して私はその店の扉を開けた。
「あ〜らいらっしゃ〜い?お客さんはじめてぇ?あら...いい男じゃな〜い!」
扉を開けたすぐ前のカウンターには、明らかにカツラと分かるピンク色の髪を振り乱した野太い声の店員がいた。
「ええっ!?なになに、いい男ですって!?モモピちゃんずる〜い、私にも接客させてよォ!」
カウンターの脇からこれまたガタイのいい、短髪の店員が出てくる。二色の髪で短いスカートを履いているが、口の周りは薄ら青い。
「えっとね〜ぇ、ウチは時間制の飲み放題よん。料金は後払いでぇ、お触りは...禁止なんだなんだけどぉ...」
モモピと呼ばれた店員はそう言うと、少し肩をすくめて上目遣いでこちらを見ていた。
「お客さんにだったら触られたいかもぉ」
「やっだー!モモピちゃん積極的ねぇ、でもアタシもはっきり言って...触られたいわ!ねえ、お名前教えてお兄さん!」
「グローディアだ。こういう店は初めてで分からないんだが、君たちのような人に話が聞きたくて来たんだ。料金は気にしないよ。」
「いや〜ん、かわいいなまえ♡グロちゃんでいい?じゃあこっちに来てお話しましょ!お酒は何が好き?強いの平気?」
そう言うと短髪の店員は私の腕にまとわりつくように寄り添った。
「飲み物はなんでもかまわない。君のオススメをお願いしようか。」
そう言いながら大きな部屋に通されると、それぞれのテーブルには客と店員が酒を飲みながら話をしている。
予想外にも女性客もちらほら見えた。
空いている席に座ると直ぐに酒と、新しく二人の仲間を連れて短髪の店員は戻ってきた。
「こっちの子は新人のハナコちゃん、この子はメルルちゃん、あたしはヲトメって言うのよろしくねグロちゃん。」
細身で長い黒髪の新人と、金髪のふくよかな店員はやんわりとお辞儀をした。
「グロちゃんて、アタシ達みたいなのとお話したいって言うことはオトコノコが好きなの?それとも興味本位?」
そう派手で煌びやかなスカートを振り乱す声が低くいくらかガタイのいい彼女らは、男性だ。いわゆるオカマもしくはニューハーフというやつらしい。
男性でありながら女性の心を持つ彼...彼女らならばきっとたくさん事を知っているはずだ。
「男性が好きという事を完全に肯定する事は出来ないが、今、大切にしたい男性がいるのだ。彼とどう向き合えばいいのかに悩んでいてね。」
「いやーん、さすが良い男!彼ピッピの為にお勉強しに来たのねぇ!なんでも教えてあげるわ。」
彼氏、という解釈をされてしまったが細かく訂正をする方が面倒かもしれない。そういう事にして話を進めるとよう。
「ちなみにグロちゃんさんの彼氏っていくつなんですかぁ?年上?年下?」
黒髪のハナコがそう尋ねた。
...そう言えばカノルの年は幾つだっただろうか、そんな話もちゃんとしていなかったのだと気付かされた。
「二十歳位だったと思う...」
「やっば、グロちゃんさん年の割にめっちゃ若い子捕まえてんじゃん!ラブラブなの?」
金髪のメルルがそう訪ねた。
ラブラブ...の定義が分からないが、仲が悪い訳でもない。ここは適当に話を合わせるのが良さそうだ。
「それなりにな。」
「二人とも質問攻めは良くないわよ。グロちゃん、彼との悩みがあるの?」
若い二人を両手で静止してヲトメは私の手を取った。
「...うむ。」
そうだった、私は本題を思い出した。
「彼にどう触れて良いものか悩んでいてな。私が不慣れなもので痛い思いをさせることが多くてね。」
こんな所で伝わるか心配だったが、何故か彼女らは深くうんうんとうなづきながら話を聞いてくれた。
「やっぱりグロちゃんがタチなんでしょ?ダメよ絶対優しくしなくちゃ、あと焦っちゃダメ。日を重ねるごとにゆっくりじ〜っくりしてあげなきゃ。」
「メルルは抱かれるのが好きだけどぉ、いろんな所触ってあげるのがイイよ!オッパイとか鎖骨とか脇とか意外な気持ちいいとこ見つけて貰うのとか嬉しいから!」
「言葉を掛けるのも大事ですよね。エッチしながらも好きとか愛してるとかたくさん言われた方が嬉しくないですか〜?あといっぱいチュゥしたり〜」
成程、非常に参考になる意見だ。そして彼女らは私が察した通りこの手の相談には長けていそうだ。
「ちなみに彼ピッピおしりでいける?」
メルルの質問に私は目を丸くした。
後ろからの刺激で達する事が出来るのか、初耳だ。私はいつもカノルを達せさせるために前を刺激し、鼓動を感じるために後ろに触れていた。だが確かに、後ろへの刺激でカノルが過敏に反応する事もあった。上手くやれば後ろへの刺激だけで達せさせる事ができるのか。
「どうすればいいのだろうか、コツを教えてくれ。」
何時にも増して真剣な目で彼女達を見つめた。
「それはもうグロちゃん、彼にイイ所教えて貰いながらするのが一番よ。あとはグロちゃんのテクニックね!」
教えてもらいながらか、果たしてそれを聞いてもカノルは怒らないだろうか。
「あ〜ん、アタシも彼氏に激しく抱かれたいわぁ。」
「んな事言ってヲトメさんこの間彼氏に振られたばっかじゃん。」
「うっせえな!」
野太い男の声でヲトメは唸った。
「君達にはもっと教えて欲しいことが沢山あるんだ。変な事を聞いてしまうかもしれないが、もう少し話に付き合ってくれるかね?」
グローディアが真剣に目を輝かせてそう言うと、彼女達は喜んでうなづいた。
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