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忘れられない。
あの時の、彼奴が。
運命。
そんなもの信じてなかった。
でも、彼奴と出会った瞬間に運命だと感じた。
会いたい。
会いたいと願っただけでもしかして会えちゃったりし...て
人混みの中からでも分かった。
俺より少し背が低くて栗色頭のふわふわしたやつ。
俺は無意識に足が動きそいつを追っていた。
気がついた時にはもう腕をひっぱって路地裏に連れてきていた。
「お前...あのときの...」
我慢できなかった。触れたくてたまらなかった。
無我夢中でキスをして
こいつの全てを
身体を。心を。思考を。
手に入れたいと思った。
何度も何度もキスをした。
角度を変えながら何度も、何度も。
口を開けて舌を絡ませた。
犯すかのように乱暴に。
宝物を触るかのように大切に。
歯茎をなぞり、歯の一本一本をゆっくり、丁寧になぞった。
銀の糸が長く長く伸び切なそうにプツンと切れる。
「なんで...こんな...」
残り少ない力で抗いながら強い口調で言う。
それで強がってるつもりなんだろうか。
自分の顔が、匂いが今どんな風になってるかも知らずに。
俺達は出会った瞬間から気付いている。
『運命の番だということを。』
「出会っちゃったんだよ。俺達は。」
嗚呼。神様はなんて美しいんだろう。
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