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「おめでとうございます!」
「国王陛下万歳!」
「女王陛下万歳!」
聞こえてくる声と、華やかな式典。
本当は、俺がそこにいるはずだった。
「これが現実よ、諦めなさい。」
この魔女が来るまでは、俺は確かに、あいつと愛し合ってた。
なんで、どうして。
考えても答えは出ない。
今のあいつは、俺との思い出をきれいさっぱり忘れてる。
「……おい、何してる。アリエルの邪魔だ。」
『アリエル』ね。
その名前、俺の名前だって、覚えてるの?
ねえ、エリック。
「側室にしてやっただけありがたいと思え。俺とアリエルの邪魔をするな。」
ほくそ笑む魔女に、エリックは気が付かない。
「……わかっております、国王陛下。」
にこりと笑って答える俺の心は、今日も死んでいく。
幸せそうな2人を、外から眺めることしか出来ない。
あぁ、神様。
人魚姫の呪いは、まだ解けないのですか一。
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