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「……申し訳ありません。先に中に入るべきでした。」
翌朝、軽い熱を出した俺は部屋のベッドにいた。
「だいじょうぶ……カイは…熱、へいき…?」
「私などよいのですよ。今はご自分のお体を心配なさってください。ただでさえ、今は弱っている状態なのです。」
確かに、先日大きく体調を崩して以来、少し体が弱くなっているのは感じる。
だからといって、そこまで酷くもないし、なによりカイが元に戻ったことが嬉しくて、急に元気になった。
気持ちの面で体調を崩していたから、当たり前なのかもしれない。
「……あんまり、ここにいると…へんに、思われるよ。」
「……しかし…」
「公務も、あるでしょ……だいじょうぶ、ディランもいるし……」
「……かしこまりました。夜にまた参ります。」
コク、と頷いて、カイが出ていくのを見送る。
カイがいなくなった途端、体が重たい気がしてきた。
「……サンディー…」
どこに行ったかな、と名を呟くと、サンディーはベッドのすぐ近くにやってきた。
お利口だ。
「ん……おいで。」
ぽんぽん、とベッドを叩くとひょいっと上がってくる。
ふわふわで、温かい体に顔を埋めると、気持ちが落ち着く。
そのまま、サンディーに抱きつくようにして眠りについた。
*
「どうした?」
珍しくずっと部屋の外に立っているディランに、声をかける。
いつもならあいつは、庭に行ったり、書庫に行ったりするから、ディランも部屋にいないことが多い。
「ルナ様が熱を出されて、お休みになられているのです。」
「熱?」
そんな話、少しも聞いていない。
まあ、別に興味はない。
ないけど、側室、なんだ。
俺が知っていないのは、問題だろう。
「どのくらい酷いんだ?」
この前も体調を崩したばかりで、また熱を出したとなれば、しんどいのだろうか。
「熱はそれほど高くないようです。カイ執事長が様子を見に来ていましたが、仕事に戻りましたし、問題は無いと思います。」
「中に入る。」
「……しかし、まだお休みになられて…」
「構わん。」
「かしこまりました。」
ディランがそっと扉を開ける。
部屋の中に入り、ゆっくりベッドに近寄る。
ルナは、犬に抱きつきながら眠っていた。
俺があげた、あの犬だ。
確かサモエドとかいう種類の。
俺の前では見せることがない、安心しきった顔をしている。
こうして見ると、可愛らしいというか、美しいというか。
男にしては長いまつ毛と、白い肌、華奢な体躯。
薄桃色の唇は、思わず吸い付きたくなるような形。
熱のせいだろうが、頬がほんのり赤らんでいるのも良い。
無意識だった。
そっと手を伸ばして、頬を撫で、指で唇をなぞった。
「んっ……」
身じろいだのにハッとして、慌てて手を引っ込める。
こいつが、身じろぎしなかったら?俺は、何をしていた?
自分で自分が理解できなかった。
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