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「ワンっ!」
「あははっ、くすぐったいよ、もう、サンディー。」
まだ安静に、ということで今日もベッドにいる俺に、サンディーは遊んで!とばかりに擦り寄ってくる。
「ごめんね、また明日遊ぼうね。」
「クゥン……」
寂しそうなサンディーをわしゃわしゃと撫でる。
『あのドレスなのですが、廃棄になりました……』
昨日の、カイの一言。
他人からしたら、ドレスの1着くらいなんでもないことに思うかもしれない。
でも、俺にとっては、あの1着はすごく思い出深いものだった。
エリックが、俺のために選んでくれたドレス。
アリエルはドレスもよく似合う、って言ってくれて、俺のために仕立て屋を呼んで、エリックが考えてくれたドレス。
料理のシミとか、俺が吐いたものとか、色んなもので汚れてしまって、どうしても無理だったみたいだ。
汚したくないなら、食事中に来ていかなきゃよかったんだけど。
それでもやっぱり、ちょっと、悲しくて。
「やっぱり、あのドレスがよかったな。」
「気に入っていたのか?」
「ぅわっ?!?!」
突然聞こえた声に、俺はビクリと跳ね上がった。
扉が開いていて、ディランが申し訳なさそうな顔をしている。
「こ、国王陛下……」
「………体は、どうだ。」
「は、はい。もう大丈夫です。」
「まだ、本日中は安静にと、医者から指示がありました。食事は普通にとって問題ないと言われています。」
ディランが、大丈夫じゃないだろう、と言いたげにそう付け足す。
ほんとに、もう大丈夫なのに。
「そうか。」
「ですから、国王陛下も本日は……」
「少しだけ、話がしたい。」
「……かしこまりました。」
ディランが扉を閉じて、エリックと二人きりになる。
「……すまなかった。」
「え?」
「お前のアレルギーを知らなかったとはいえ、軽率な行動だった。」
「いえ!!俺が軽率に食べたのが悪いので……自分ではわかっていたことですし、食事の内容が違うことに対して、アレルゲンが含まれている可能性を考えるべきでした。国王陛下の落ち度はありません。」
「……お前は、どうして…」
「……はい…?」
「……なんでもない。明後日は、なにか予定は?」
「へ?あ、ありません。多分……?」
「……後でディランに確認しておくが、予定がなければ、そのまま空けておけ。」
「は、はぁ……何か、御用でしょうか?」
「お前……鈍いのか?」
なんのことかさっぱり分からない。
「ええと……?」
「王が、予定を空けておけと言っているんだ。王との予定に決まっているだろう。」
「国王陛下と?」
「城下に行く。」
「城下に?」
「いいな、明後日だ。」
エリックはそう言って部屋を出ていく。
明後日、エリックと、城下に。
「……えぇぇぇぇ?!?!」
「ワゥン?」
俺の盛大な叫び声に、サンディーが首をかしげる。
ディランが慌てて飛び込んでくるまで、あと2秒。
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