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エリックと少し話しながら食事を済ませ、部屋に戻る。
メイドさんが連れてきてくれたサンディーを撫でていると、ディランが入ってきた。
「ルナ様。」
「はい、どうかしました?」
やけに真剣な顔のディラン。
サンディーも俺と一緒に首を傾げる。
「……国王陛下から、夜伽のお誘いがございました。」
夜伽。
ここでのそれが、何を意味するか。
意に従って共寝すること、だが、それは詰まるところ、セックスの誘いだ。
そして、国王陛下からの誘いで、断ることは許されない。
「……ルナ様、あの、今回のみ、特例で断ることも許可されております。お体やお気持ちの面で不安がございましたら、お断りすることも可能です。」
黙ってしまった俺に、ディランがそう言ってくれた。
エリックとの行為。
本来、断る理由はない。
でも、今のエリックとの行為に、俺は耐えられるんだろうか。
「……少し、考えさせて下さい。」
「……かしこまりました。」
ディランが気を使って、部屋を出ていってくれる。
サンディーをぎゅっと抱きしめて、どうしたらいいのか考え込んだ。
「……どうしよう…」
「わぅ?」
どうしたの?と言わんばかりに、サンディーがこちらを見つめる。
「……サンディー…」
「わぅん、わんっ!」
構ってもらえる、と喜んでいるのか、サンディーがしっぽを振って、くるくる回る。
「ふふ、どうしたの?」
「ワン、ワンっ!」
扉の方に走っていって、そこでまたくるくる回る。
「外に行きたいの?」
「わぅん!」
俺がそちらに向かおうとすると、サンディーはエリックからの贈り物が置いてある方に。
「ワン、ワンっ!」
「エリックがどうかしたの?」
俺の周りをくるくる回って、それからまた、贈り物の周りを回る。
「……エリックに会った方が、いい?」
「わぅん!」
だって、会いたそうにしてるよ!
そう、言われた気がした。
うん、すごく会いたいよ。
『ルナ』としてでもいいから、抱きしめて、キスして、優しくして欲しい。
「ワン!」
「ふふ、サンディーは、なんでもお見通しなんだね。」
サンディーをわしゃわしゃ撫でて、それからディランを呼ぶ。
「……夜伽、受けます。」
「……かしこまりました。私の方で、ルナ様のご準備、させていただきます。お体のご準備を先になさってください。」
「はい。」
ドキドキしながら、久しぶりに後ろを洗って、体を清めた。
「まずこちらを着ていただきまして、その上から先ほどと同じドレスを。」
「……はい。」
「部屋の外に私とカイ執事長が控えております。国王陛下のお部屋は防音ですので、何かございましたら中にある呼び鈴を鳴らして頂くか、扉の外までお願い致します。」
「はい、わかりました。」
「何事もなければ、我々は国王陛下から呼ばれるまで中に入りませんので……もしも、嫌なことがありましたら、すぐに私をお呼びください。」
俺の顔があまりに固いからか、ディランは心配そうにそう言ってきた。
「必ず、ですよ?」
「はい、大丈夫です。ありがとう。」
にこりと笑ってみせると、ディランは少し安心してくれたようだった。
準備を済ませた俺は、サンディーをもう一度撫でて、それからエリックの部屋にディランと向かった。
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