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びくっ、びくっ、と体を跳ねさせ、荒い呼吸を繰り返しているルナ。
俺の手にもルナの精液がついていて、妙に興奮した。
「は……ぁ、ごめんなさっ……手、よごれてっ……」
「気にするな。」
「あの……国王陛下……」
ベッドでも、『国王陛下』か。
「エリックでいい。」
「……へぁ…?」
「……俺の名を知らないわけじゃ、ないよな?」
「し、知ってます!」
「ベッドの中でくらい、名で呼べ。」
「は、はい……」
「ほら、呼んでみろ。」
「へっ?!い、今ですか?」
「そうだ。」
リンゴみたいに真っ赤になって、口をぱくぱくさせている。
「え……エリックさま……」
心臓がギュン、と掴まれたみたいな、そんな感覚。
「は、はずかしい……」
は?めちゃくちゃ可愛い。
「お前……わざとか?」
「へ……?」
「いや、なんでもない。続けるぞ。」
「あっ、えっと……お、俺も……なにかします…」
愛撫を再開しようとすると、ノロノロと体を起こしてそう言った。
「……わかった。」
なにか、って何をするんだろうかと思いつつ、俺も服を脱ぐことにした。
*
エリックと初めてした時に言われたことを言われて、イってしまった。
久しぶりに、『エリック様』なんて呼んで、すごく恥ずかしい。
エッチって、こんなんだったっけ。
こんなに、恥ずかしかったっけ。
……いや、恥ずかしかったな。
まだぽわぽわした頭で必死に思考を回す。
エリックが服を脱いでいくのを見ていると、ドキドキした。
鍛えられて、引き締まった体。
背中の、肩甲骨のあたりにある傷痕は、敵国との戦争の時についたもの。
エリックの母親が死んだ戦争だ。
思わず、その傷に手を伸ばした。
「っ、触るな。」
「……ぁっ、申し訳ありませんっ……」
そうだ、今は、これに触ることを許されるような関係じゃなかった。
初めてこれに触れたのは、気持ちが通じあって、体を重ねた日だった。
「……いや、すまない。お前は心配してくれたんだろう、優しいからな。」
悲しそうに目を伏せるエリック。
俺が『アリエル』だったら、抱きしめてあげられるのに。
今の俺は『ルナ』だ。
「……気になるか?この傷が。」
そっと傷痕を撫でて、そう問われる。
「……気にならないと言えば、嘘になります……でも、エリック様が、話したくないことは聞きません。」
そう言えば、初めて傷痕を見た時もこう言ったな、なんて。
「……やはりお前は、優しいな。」
泣きそうな顔で、それでも微笑んでみせるエリック。
エリックの本質は、なんにも変わってない。
優しくて、人を気遣って、自分の辛いことは、自分だけで抱えてしまう。
とても不器用な人。
「今夜は、お前の体を味わうことに集中したい。この話は、また別の夜にしよう。」
「……わかりました。」
微笑むと、くしゃりと頭を撫でられた。
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