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「……さま、アリエル様。」
「ん、ディラン……?ごめん、俺寝てた?」
「はい。眠っておられました。昨晩は激しかったのですか?」
「んー……なんか、エリックとくっついてたら時間たってて……」
「クスクス」
「……さま、ルナ様。」
「……っ、はいっ?!」
「終わりましたので、お声かけしましたが……もう少し休まれますか?」
心配そうなディラン。
夢、だった。
「……ルナ様?」
「あっ、いえ、大丈夫です。ありがとうございます。」
「いえ……昼食はどうなさいますか?ご用意はできていると先程カーティスがまいりましたが…」
「あ、はいっ、行きます!」
マッサージされて幾分か楽になった体をゆっくりと起こし、寝間着で食堂に向かう。
着替える元気はなかった。
「ルナ様。お身体は大丈夫ですか?」
カーティスは俺を見るなり、心配そうにそう言った。
「はいっ、さっきディランさんにマッサージしてもらって……だいぶ楽になりました。」
ニコリと微笑むと、カーティスも微笑み返してくれる。
「そうでしたか。昼食、すぐにお持ちいたしますね。」
ディランが椅子を引いてくれて、そこに座る。
すぐに運ばれてきた昼食をいつもより時間をかけて食べ、部屋に戻った。
自分の部屋ではなく、エリックの部屋に。
「……ルナ、様。」
「はい?」
サンディーもいなくて退屈だなぁと思っていたところに、ディランが話しかけてくる。
「失礼を承知で、お伺いしても……?」
「はい、なんですか?」
「ルナ様は、エリック様を好かれているのですか?」
これは、なんて答えるのが正解だろう。
なんて、答えたらいいんだろう。
ディランは、『側室』に聞いてるのか、それとも、『ルナ』に聞いてるのか、どちらなんだろう。
でも、俺は、どんな形になっても、エリックを好きで、好きで、忘れられなくて。
だから今も、こうなっているわけで。
嘘偽りなく、答えるのが、いいんだと思う。
ここで嘘をついても、すぐにバレてしまう。
「……はい、好き、です。」
「……なぜ、なのですか?」
「え?」
好きに、理由がいるんだろうか。
そりゃ、細かいことをあげれば、もちろん理由はある。
けど、好きなものは、好きなんだ。
「エリック様は、お世辞にも、ルナ様に優しいとは言えません。最近では、気にかけている様子ですが……でも……」
「側室ごときが邪魔をするな。とか言ってたことですか?」
「……はい。あまり、紳士的な態度ではなく、優しさも気遣いもなく……元々はそういう方ではありませんが、ルナ様はなぜ、そんな態度を取られても、エリック様を好いているのかと思いまして…」
それは、すごく単純な理由だ。
「さっき、好きですと、答えましたけどね。」
ディランの方を真っ直ぐ見て、少し微笑む。
「……彼を、愛してるから。」
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