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「んー……どれがいいかなぁ……」
約束通り、花屋にやってきた。
こっちも綺麗、あっちも可愛い、と悩んでいるアリエルに頬が緩む。
「ねえ、エリックはどっちがいいと思う?」
アリエルは、コスモスかダリアで悩んでいた。
「うーん……ダリアはあの部屋に映えそうだな。」
「確かに……コスモスは前に飾ったことあるし、ダリアにしてみようか?」
「そうだな。」
こうして2人で話しながら花を選ぶのも久しぶりだ。
「コホン、エリック様。」
「ん?」
「ここは城下ですので、もう少し頬を引きしめてくださいませ。」
カイに小声でそう言われ、俺は咳払いしてから顔をキリッとさせる。
が、それも花を買って戻ってきたアリエルを見るとすぐに緩んでしまう。
「可愛いな。」
「へ?あ、お花可愛いよね。」
違う違う、アリエルが可愛いんだ。
そう思いつつも頷いておいた。
花束を抱えたアリエルとゆっくり城下を歩く。
アリエルの腕は俺の腕に絡められていて、こうやって当たり前のように歩けることが嬉しくて仕方ない。
通りすがりの国民から挨拶をされて、ニコニコ返すアリエルも、動物を見つけてしゃがみこむアリエルも、子供に花を一輪あげてしまうアリエルも、全部愛しい。
「アリエル。」
「ん?なに?」
「体調はどうだ?」
「うん、とてもいいよ。カーティスが栄養ある料理をたくさん出してくれるおかげだね。」
俺を見て微笑むアリエル。
もう、我慢できない。
たくさんアリエルに触れて、アリエルを愛したい。
きちんと『アリエル』の名を呼んで、隅々まで愛してやりたい。
「アリエル……お前さえよければ、今晩、お前を愛させて欲しい。」
ほんのり冷たい風が吹く。
季節は冬へ移ろうとしていた。
「……うん……もちろん、いいよ……」
頬が朱に染まり、恥ずかしそうに俯くアリエル。
今すぐにでも抱きしめて口付けたい衝動に駆られるが、さすがに街中でしたら後ろにいるカイとディランに怒られてしまうだろう。
「ありがとう。できるだけ優しくする。」
「……うん……でも、俺……エリックにたくさん、触って欲しい……」
上目遣いで、こんなにも可愛らしいおねだりをされて、我慢できるだろうか。
俺は無理だ。
額にそっと、1度だけ口付ける。
「もちろんだ。ゆっくり時を過ごそう。」
「うん……」
城について、花はキャンディに任せ、夕食をとる。
それから、アリエルは準備をするためにディランと部屋に向かい、俺は体を清めたあとで、東の塔に向かった。
「エリック様。」
「……あぁ、ディランか。」
「はい。間もなくアリエル様が参られます。」
「わかった。明日の朝まで人払いを頼む。」
「かしこまりました。」
ディランが下がってすぐ、アリエルがやってきた。
白いネグリジェは装飾もほとんど無かったが、アリエルがそれ着ているというだけで、美しく見えた。
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