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ヤリチンボーイの初恋4
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「ゲッ……あ、梓……先輩」
そちらに視線をやれば、何故か可愛らしい女の子の姿があった。あれ、ここ、男子校のはずだよな?
五十嵐はその女の子の姿を見つけた瞬間、飼い主に叱られた犬のようにビクッと怯え、俺から距離を取った。
何だ?つかこの女の子、誰?
「あれっ、もしかしてお取り込み中だった?ごっめーん」
「い、いえ別に……その、大丈夫す……」
俺よりも背が低いその女の子は、五十嵐と並ぶと猛獣と子どもみたいだった。絵面だけ見れば犯罪的ですらある。
それなのにその女の子が近付くたびに五十嵐の態度はどんどん小さくなっていく。
何だこいつ、弱味でも握られてるのか?
……まあとにかく、人が来たなら安心だ。
俺はほっとしてその二人の動向を見守る。
現れた女の子は五十嵐のことを散々からかったかと思うと、今度は俺の方に視線を向けてきた。
「んー?見たことないなあ、君。もしかして転入生?」
「あ、は、はい……」
「そっかあ!ボク小花依梓って言うんだ!よろしくねっ☆」
女の子――小花依さんは人懐っこい笑顔を浮かべてぎゅっと俺の手を握る。手が柔らかい。ボクっ娘かわいい。てか俺、女の子の手触るの初めてかも……。
よく見ると小花依さんも恐ろしく整った顔をしていた。
赤みがかったツインテールがさらりと肩を滑り落ちるのも、大きくて睫毛バシバシな瞳がころころ形を変えるのも、それからうっすら漂ってくる甘い匂いも、全部「女の子!」って感じがして、なんていうか、すごくいい……。
「……ナニうっとりしてんだテメェ。そいつ男だぞ」
頭がお花畑になっていた俺に、五十嵐が冷ややかな目で突っ込みを入れる。
何だよ、男だからって……………………ん?…………男?
「はああああああああああ!?!?!?おっ、おおっおっ男おおおお!?」
「わあ、イイ反応っ☆これだからやめらんないよねぇ」
「性格悪いっすよ、梓先輩」
「むうー。綾ちゃんに言われたくないしっ」
「つかその呼び方やめ……いや、何でもないです。すいません」
キャッキャと楽しそうに会話をしている小花依さんを凝視して、俺は絶句してしまった。
お、お、男……!?こんなに可愛いのに!?女装!?
頭がおかしくなりそうだった。
そんな俺の混乱を、小花依さんはニヤニヤと楽しそうに眺める。
「ふふーん。君イイ反応するねぇ、ボク嬉しくなっちゃうなあ」
「あ、あ、あの……なんで女装……」
「何でって、ボクがボクに一番似合う格好してちゃ駄目なの?」
そう言われると、うっと言葉に詰まってしまう。
俺が黙ったのを見て小花依さんはつまらなさそうに五十嵐の方に視線を戻した。
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