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結局みんな好き (usgt)
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男でも惚れる男というのは実在するものである。開口一番で早速誤解されるような言い様なのだが、それでも本当にいるのである。
それがガッチマンである。
名前はどこかにいそうな、(例えばガッ○チャマンとか)そんな雰囲気の男なのだ。しかも酒を飲むと適当になる、よくわからないタイミングで下ネタをぶっこむといった少々危うい人物なのだ。
そんな男に何故惚れたのか。
牛沢はガッチマンとの出会いを覚えていなかった。よくある、『いつの間にか出会っていた』というものだ。牛沢はガッチマンを出会う前から、某動画サイトで見ていたので、その存在は知っている程度であるが、同時に牛沢にはないゲームプレイスタイルなので、尊敬の念を密かに抱いていた。だが、実際に会ってみると、物腰柔らかで少しお茶目。そんな印象だった。
しかし、キヨやレトルトといった、実況仲間を交えガッチマンとコラボを撮っているうちに、新たな一面を垣間見ることになった。
少し変態臭いが、ガッチマンは身体的な意味でスタイルがよかった。キヨとレトルト、ガッチマン、そして牛沢が福岡に旅行しに行った時のことだが、ガッチマンは黒い半袖のVネックとGパンというそれなりにラフな格好だったが、むしろそれがガッチマンのスタイルを際立たせていたのだ。ラフなスタイルだからこそわかる、腰の位置の高さ。そして体の線の細さ。顔も小さく、手足も長かった。
牛沢は思わず『ガッチさんスタイル良くね?』と言ってしまいそうになった。そのくらいスタイルが良い。もうこの時点で怪しいのだが、牛沢はいつの間にかガッチマンを恋愛対象にしてしまったらしい。
「ってわけなんだけど、どう思う?」
「知らねーよ」
「そういう惚気話はよそでやって」
「なんでそんなつめてーんだよ、ぶっ飛ばすぞ」
そう、今の今まで、少しかっこいい感じでガッチマンを語っていたが、全て牛沢視点で語っていたのだ。そして現在、レトルトの家でガッチマンについて語っていた。言ってしまえば恋愛相談だ。
「冷たくないから! 突然俺の部屋におしかけといてガッチさんの惚気話かよ!! 俺、キヨくんとゲームしてたんだけど!」
「は? 突然じゃねーし、L○NEしたし!」
「LI○E?! そんなのいつしたの!?」
「今さっき」
「馬鹿じゃないの?! 気づくわけないじゃん! キヨくんとゲームしてたんだから!!」
「あの、そろそろうるせーんだけど! あと、俺の方がスタイルいいから!!」
開始早々この騒々しさである。本当に仲が良いのだろうか。まあ、それは置いておこう。
淡々と「ガッチマンを恋愛対象として見ていた」と語っている牛沢ではあるが、同性であるガッチマンをそういう感情で見ているとなればやはり驚くし困惑するものだ。その感情を晴らすための今なのだ。
「ガッチさん良くない?! 良いでしょ!?!」
牛沢はやや興奮気味でキヨとレトルトに食ってかかった。キヨとレトルトは普段はアンニュイな牛沢が、ここまで声を荒らげやや興奮した様子など滅多に見ないもので少しばかり驚いていた。まあ確かにガッチマンは適当な部分もあるが、ルックスは決して悪くないし、見たらわかる目の綺麗さ(下ネタで穢れてはいるが)とか、牛沢が言うスタイルの良さは前から薄々感じていたことだ。まあただ牛沢の場合惚気がすぎるのだが。
「で? うっしーはほんとに恋愛相談にきたの? 今のところ悩んでるように見えないんだけど。」
レトルトはキヨとのゲームを中断させキヨと某綾鷹を飲んでいた。恋愛相談にきたことはもう知っているので一応話を聞いてやってはいるが、そんな様子はなく、ただただ惚気話をしているようにしか見えなかった。
「してるよ! どう考えてもしてるじゃん。」
牛沢は持っていたペットボトルをドンと机に置いた。キャップは外していたし中身も沢山あったので少し溢れた。「俺の机が!」というレトルトは無視した。
「俺だってこんなにガッチさんを好きだなんて気づかなかったよ。 自覚したのだって最近だし。」
「逆に言うけど、ガッチさんのどこが好きなの」
机を拭いているレトルトに変わりキヨが言った。
「存在」
即答である。
「ごめんキモ」
「なんでよ!!!!」
即答である。
キヨは思った以上に困惑していた。あの、アンニュイで毒舌な牛沢が、存在そのものを好きになる事が来るなんて、いろんな人に失礼だが、これは前代未聞なのでは、とキヨは思う。キモいと言われた牛沢は頬を少しばかり膨らませていた。
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「まあでも、俺はうっしーみたいに変態じゃないけどさ、確かにガッチさんいいよね」
「でしょ?! レト左衛門、分かってくれるか!」
「なんで急に殿になんの」
「このピザ美味いな〜」
あれから少し時間が経った。せっかくなのでとキヨが宅配ピザをとり(払ったのはレトルト)、それを食べている時だった。何故こんなことになったか正直知る由もなくなったが、レトルトは確かにガッチマン良いよねという。牛沢はあからさまに(主に表情)が嬉しそうに光った。わかりやすい。
「ガッチさんって、大人って感じするよね〜うっしーとかキヨくんとは違って」
「なんでお前入ってねーんだよ、お前もだろ」
「は? 俺のどこが大人じゃねーんだよレトさん。 五文字以内でいってみろ」
「もうキヨくん黙ってて。 ピザでも食べててよ、俺のあげるから。」
「マジで? ありがとレトさん!」
いちいち話が脱線するが、レトルトの言う通り、ガッチマンは大人である。年齢とかそういうのではない。常に冷静であり、周りをよく見て行動できる思いやり。それらを兼ね備えたガッチマンは、もう良い年したレトルトや牛沢ですら大人だと感じる。
「でもさ、たまに天然なんだよね、冷静な時とのギャップがかわいーなって思っちゃう」
ピザを食べ終えたキヨが話に入ってきた。今の今まで聞いていたのか。
「あ〜…わかるわ。 ガッチさん天然だよね。」
ガッチマンは天然。それは満場一致なようで、盛り上がった。
熱くないのに熱いと言って、他人の耳たぶ触る、とか、理解出来ず素のリアクションをしてしまうだとか。ちなみにガッチマン本人は否定しているが。
「あとさ、俺ガッチさんの動画とか普段から見てるんだけどさ」
「うん」
「たまに喘ぐんだよね。」
「…え?」
唐突な牛沢のカミングアウトで、思わずキヨとレトルトは固まってしまった。喘ぐ、とは嬌声のことだろうか。
「マジで?」
「まじまじ。なんならコレ見てよ。」
牛沢はおもむろにスマホをとりだし動画サイトを開いた。
「お、おう、ほんとだ。」
「ガッチさんまじかよ。」
確かに牛沢の言う通り、喘いでいるように聞こえた。まあ、ガッチマンには自覚はきっとないのだろう。
と、そこでキヨに異変があった。
「どーしよ、次皆でジェイソンとるとき、ガッチさんを見る目が変わっちゃうわ」
というのだ。ついにお前もか。とレトルトはキヨを見る目が変わった。
「どっちかって言うとガッチさんがエッチマンだよね」
お前もかと言う視線で見ていたレトルトも言う。
そこからはもう恋愛相談所ではなくなった。ガッチマンのここが良いとか、こういう所がエロいだとか。正直に言って居酒屋で集まって猥談する親父のようだった。
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「あっ良かった! 俺ジェイソンじゃないわ〜」
「ガッチさんがジェイソンだったら俺らの負けは確定してるよ」
「ねー」
時は変わって某日。キヨ、レトルト、牛沢、ガッチマンで実況をする時がきてしまった。
いつもなら楽しみなのだが、この間の話をしてから、どことなく落ち着かない。それはキヨやレトルトも同じなようで、キヨに至っては若干、本当に若干なのだが、語尾が裏返っていた。
「あっ俺デブちんじゃん。 死ぬの確定だな!」
当のガッチマンはそこそこ呑気だ。
「大丈夫だよ! その時は俺が囮になるからさ!」
「ほんとに〜? ありがとレトさん。」
ああ可愛い。前までこんなこと微塵も思っていなかったのに、どうかしているようだ。
「そこ!イチャイチャすんなよ!」
キヨもとい、キヨが操作しているアバターが、レトルトとガッチマンのアバターに、怒っている仕草をしている。
「何言ってんのキヨくん」
「ね、意味わかんないや」
2人はさてなんの事だろうと言う。牛沢にもイチャついているようにしか見えなかったのだが。ただ、レトルトもキヨみたいにうるさくないし、牛沢のようにオラついてもいない。まあ毒舌な部分もあるが、この男、ほんわかとしている。そのためガッチマンとレトルトの絡みは結構癒される。絶対本人には言わないが。
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無事に動画を撮り終えた4人はボイスチャットを終了し、それぞれ自由な時間を過ごした。と、思う訳だが、ガッチマン以外の3人はそれを続けていた。
「今日もガッチさん可愛かったな〜。癒されるわ」
「ね、なんだか俺も癒されちゃったわ」
「レトさん、ガッチさんとイチャイチャし過ぎだわ!」
もうすでにわいわいとしている。今日のガッチマンのふりかえりをしているらしい。
「もう、前はこんなこと無かったのに、すっかりガッチさんのこと好きになっちゃったよ」
「ほんとだよ、どうしてくれんだようっしー」
「いやいや、ガッチさんの良さを分かってくれてよかったよ。」
結局のこと、恋愛相談から始まった訳だが、皆ガッチマンを好きになってしまった。さて、次の相談相手は見つかるか。
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