アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ヒトと獣と 4
-
※ 今回も虫系の紹介他があります。
また流血表現もあります。
苦手な方はお気をつけ下さい。
sideアビス
叔父上が物凄い眼で睨んでいる。
席次で揉めて騒いでいる兎族と狒々族の従者達に向かって、まるで視線で殺せそうだ。
そういえば先程、二人きりのときにぼそりと呟かれた言葉。
「何人か減らすか…」
叔父上、殺る気ですか⁈
あの見た目(アビスさん、貴方クローンみたいにそっくりですよね?)と柔らかな物腰で忘れられがちだが元々叔父上は軍人だ。
戦神、射千玉のセテフ。
俺の産まれるずっと前、剣歯虎(サーベルタイガー)の一族を絶滅に追い込んだのは有名な話だ。
一切の容赦無く根こそぎ殺しまくった叔父上の、何がそこまでさせたのか。
sideセベク
獣人達が集まりすぎたシリス館の、一番大きな部屋をぶち抜いて、設えられた会議場。
四角に並べられた卓の周りの席次で揉めている連中がいる。
あいつらは普段滅多にこの村には来ないのにこんな時だけ顔をだすのか?
俺とセテフは上座のシリスの左側を与えられていてデンウェンもここに収まった。
アビスはジャッカル族からの第二代表だということと若輩故に下座の扉に近い席を与えられたようだ。
シリスの右はホルとトート。
シリスの右…あいつ等二人、特にホルすっかりヒトの部下になり下がりおって。
長の座を押し付けた俺等も悪いが。
…俺の隣のセテフの機嫌が先程から最悪だ。
椅子に足をのせ、片膝を立てて肘をついている。
公式の場でこの行儀は…
シリス、早くあの兎と狒々を止めろ!
遅かった。
セテフが細身のナイフを投げると同時に跳躍し狒々の従者に襲いかかる。
兎の従者がまるで昆虫採集の標本のように壁に貼り付けられて絶命していた。
「おまえら、皆殺しにしてやろうか。」
凄みのある笑顔で囁くと顔を掴んでいた手に力を込めた。
“ グシャ ”
卵の殻が割れるような脆い音がして狒々の従者の頭が潰れる。
噴き出す血で汚れるのを厭い狒々の従者を投げだすと、ペロリと血に濡れた指を舐めたセテフの凶暴な目。
水を打ったように静まり返った場で何事もなかったかのように席へ戻るセテフ。
この凶行を咎める者など居る筈も無く
シリスの合図で素早く場が整えられていく。
ショック状態の兎族と狒々族は全員が外に出された。
もうこの場に戻って来ることは無いだろう。
sideアビス
それはあっという間の出来事だった。
叔父上の手から繰り出されたナイフは兎人の喉下に突き刺さり、そのまま壁に貼り付けられた。
と、同時に跳躍した叔父上は狒々人の顔を掴み、握り潰してしまう。
皆が唖然としている中、平然としているのはセベクとデンウェンの有鱗二人組くらいか。
しかしここまで憤った叔父上をどうすればいいのか…
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
31 / 1203