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砂漠の悪魔 20
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セテフの居間に来てからも暫く、呆然としているホルエムヘブを見てセテフは低く笑った。
「何をそれほど吃驚しているのだ?」
赤くなったり、青くなったり百面相が面白い。
「あ……の、小さな奥方にあの様な無体を⁈ 」
何を言っているのだ?アホらしい。と、言った顔でセテフが見ている。
「確かに今夜のアビスは少々ヤリ過ぎの感があるが……別に珍しい事ではない。」
ホルエムヘブは我が耳を疑った。
「堕ちてきた翌日には鰐王殿に食われているし、その後アビス、私と続いた。
あれで結構丈夫な身体をしているのだよ。」
くつくつと笑うセテフは既に獣の目をしている。
「アキラ……アキラ。」
白い身体のあちらこちらに残る所有の痕に、重ねて上書きするように鬱血痕を残しているアビスは、一時の激情が去り、アキラの事が愛しくて……愛しくて。
全身を嘗め回し、口づけている。
朦朧とした意識の中、涙を流すアキラを抱きしめ、口づけを繰り返す。
「アビ……いた……いよ…… 」
「ああ、アキラ! 」
胸の飾りにむしゃぶりつき、甘噛みする。
薄桃色の小さな粒が、濃く色づき腫れるまで大した時間がかからなかった。
「アビ……怒らないで……虐めないで。」
虚ろな目から涙が溢れ落ちる。
「アキラ、愛してる……愛してる…… 」
弛緩した太腿を割り広げて、再びアビスが挿入ってくる。
苦痛に喉を仰け反らせてアキラは啼く。
先ほどとは違い、ゆっくり、ゆっくりとした抽挿でアキラを追い上げていく。
口づけながら、愛を囁き、堪能する。
激しく突き上げる事なく擦り付けるようにして味わうアキラは……もう動けない。
「アキラ、好きだ……好きだ…… 」
アビスの囁きに反応したかのようにアキラの蜜壺がキュゥと締め上げてくる。
「なぁ……俺だけって……俺だけが好きだって言ってくれよ…… 」
強く、強く抱きしめると僅かに抱きしめ返してくるアキラが愛しくて……また暴走する。
翌日の、もうかなり陽の高くなっている午前、アビスとホルエムヘブが河辺を散策していた。
ホルエムヘブは昨夜の事を……アキラの事を聞きたくてたまらない。
「大将(アビス)、夕べのアレは……その。」
「ん? そういえば、叔父上と一緒に覗いてたなあ? 」
アビスがニヤリといやらしく笑む。
「なあ? 欲情しただろう?
アキラは普段は子供子供してるが、閨では凄い色気なんだぜ。」
加えて我らの嗜虐心を満足させるあの反応。
「あんなにお小さいのに…… 」
「しっ! 」
アビスに引っ張られて木陰に身を隠したホルエムヘブは柔らかな陽射しに照らされた河辺に座るセテフを見た。
その膝にアキラを乗せている彼は、湯浴みの後なのか髪を下ろしている。
それはホルエムヘブとしては驚愕に値すべき事で……
セテフは人前で髪をほどいたりしない。
絶対に‼︎
それが……身を乗り出すようにして見ていると、傍らの布を取り上げアキラの髪から水分を拭き取ってやっている。
そして手に取ったのは櫛。
アキラの耳元で何かを囁き、こめかみに口づけて、梳りはじめた。
ホルエムヘブは混乱する。
このような姿は己の主にはあり得ない、あり得ない筈なのにこれは……?
「アキラに対しては、叔父上はいつもあんなだぜ?
何もかも世話しないと気が済まないらしい。
知ってるか?アキラは衣の着付けはおろか、腰布も結べないんだぜ。」
視線の先ではアキラが立ち上がり、ここで驚愕の事実が発覚したのだが……
アキラは薄布を身体に巻き付けただけの姿で……それは布の下は全裸だという事で、セテフが湯浴みの後、直接ここに連れて来た事を表している。
……立ち上がったアキラがセテフの背中に回り、セテフの持つ櫛を取りあげた。
セテフの、腰まであるワンレングスの髪に櫛を入れる。
ホルエムヘブか息を呑んだ。
彼は以前、セテフの髪に触れた “ 相手 ”がセテフの逆鱗にふれて壁まで蹴り飛ばされ、哀れな末路を辿ったのを見ている。
だが今のセテフは嬉しそうに笑んでいて時折後ろを振り返る。
前髪を後ろの方に梳る時など仰け反って笑い合っている。
ホルエムヘブはアビスに視線を移した。
「あのふたりはいつもあんなだぜ。
甘々でデレデレの叔父上なんて、まさかこの目で見る日がくるとは思わなかったな。」
アキラが櫛を咥えて髪を三等分している。
根元から三段ほど編み込んであとは緩く三つ編みにしていった。
最後に革紐で結ぶ。
新しい髪型はセテフの美貌に良く映えた。
アビスとホルエムヘブは無言で見ている。
再びアキラを膝に座らせたセテフが頤に手を添えて唇を重ねた。
アキラの腕がセテフの首にまわされ、その背中にセテフの手が這う。
おもむろにアキラを抱いたセテフが立ち上がった。
「叔父上は当分出てこないぜ。」
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