アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
砂漠の悪魔 31
-
デンウェンと共に “ 赤い川 ”の畔に佇むアキラ。
しゃがみ込んで川の中の土砂を掬って見ている。
そうかと思えば水の臭いを嗅いでみたり、デンウェンには理解出来ない事で忙しい。
先日、上空を飛んでいて発見した “ 赤い川 ”
勿論、アキラ以外は知っていた川であって、ただ昔から水質が悪く飲み水に適さない為、流れるに任せていた川だった。
それにアキラが興味を示した。
「ね、お願い! 」
瞳をキラキラ輝かせてデンウェンを見上げてくる。
「もう少し岸から離れた所の土砂を沢山掬って欲しいの。」
デンウェンに否はない。
本体に戻って飛び立ち、空中停止しながら両手で土砂を掬った。
岸まで運んで川縁に積みあげる。
「ありがとう。」
にっこりと笑って本体のままの鱗の生えた目の下に口づけた。
踵を返したアキラの、今の今までいた場所でデンウェンの爪の生えた指が空を切る。
土砂の山に腕を突っ込んで川の水に晒したり、土砂を広げたり、一通りデンウェンには泥遊びにしか見えない事をして、納得したのか今度は土砂の山を川に戻せという。
アキラが汚れた手足を清めている間に言われた通りにするとまた口づけられた。
それがどれほど危険な事か、アキラには理解出来ていない。
「セティの所に連れて行って欲しい。」
アキラの姿を見たセテフが歓喜の声をあげる。
「ラー! どうした? 」
デンウェンの背から滑るようにして降りたアキラは、一目散にセテフに駆け寄り抱きついた。
上目遣いで見上げ、口づけを強請る。
セテフはすぐに望みのものを与えてくれた。
そして囁く。
「ラー、デンウェンが睨んでいる。
これ以上、彼の忍耐を試すような事をしてはいけない。
危険だよ。」
「うん……。」
ヒトガタに戻ったデンウェンがゆっくりとふたりの元にやって来る。
その目に、剣呑な色を宿して。
アキラは、今度はデンウェンに向かって駆け寄るとその腰の辺りに抱きついた。
デンウェンの動きが一瞬、止まる。
その瞬間、セテフも息を呑んだ。
突然跪いたデンウェンがアキラの頤を捉え口づける。
立てた膝に跨らせて咥内を蹂躙して、そして唇を離して抱き締めた。
「ああ。スッキリした!
ちい姫? 怒った? 」
アキラの頭越しにセテフの姿が目に入る。
腕組みしてこちらを見つめている。
いや、口元に笑みを浮かべながら “ 睨んで ” いる。
一瞬、対峙する視線。
「部屋を用意させましょうか? 」
「セティ!
ぼくはセティに話があって連れて来て貰ったの!
ヘンな事を言わないで。」
アキラが振り向くと同時に眼差しが和らいだセテフが「おや? 」と。
膝から降りてデンウェンの手を取る。
そのまま手を繋いでセテフの元にやって来て言った。
「三人で話があるの。
人払いを。」
セテフの居間に通されたふたり。
アキラはセテフに対面して卓につき、デンウェンは腕組みをして壁に凭れている。
「鉄? 」
耳慣れない言葉を聞いて鸚鵡返しに繰り返すセテフ。
「セティ、よく聞いて。
デンウェンも茶化しちゃダメ。
“ 鉄 ”は “ 金 ”より硬いの。
主に “ 武器 ”の原料に使われる。」
「武器⁉︎ 」
セテフの顔付きが変わる。
「ナイフの刃、刃を長くした “ 剣 ”、槍や鉾の先、矢じり、あと胸当てとかの防具とか。」
「ラー……それは……。」
「セティ、ぼく暫くは “ 鉄 ”をアヌビスから出したくないの。」
sideアキラ
どうしてこうなった?
居間で話をしていて、あれよあれよという間にお泊り決定になった。
すぐにセベクに伝書鷹(命名アキラ)が送られ、ぼくの部屋(!)へ通された。
セティに着ているものを剥がれて、問答無用で湯浴み、引き続き三人での夕餉。
そして。
今、デンウェンとキスしてる。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
99 / 1203