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3一5
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それから、ファンレターは必ず読むようにした。
あの彼かもしれない…そう思うと、どれも読む時にドキドキしている自分がいる。
わたしにとって、あの少年…いやあの青年が、初恋なのだろう。
それから数年経ったある日、武田から久しぶりの電話があった。
今度新しい編集員を連れてくるそうだ。
つまらない。
編集員なんて、どれも同じ。
そこそこ顔が良くて、エロスばかりを考えている奴ばかりだ。
特に今時の若い奴は、『 もっと描写をガッツリ入れて 』とか、『 めちゃくちゃに陵辱してください 』とか、文学的に美しくない表現ばかりを示唆してくる。
エロい表現なしにエロくするのが良いのに…わたしの好きにさせてくれないなら、更に他社分を増やすぞ。
武田いわく、今度の新人は当たりだそうだ。
コネらしいが、文学好きらしく、色んなジャンルの話も出来るとべた褒めだった。
そんなに褒めるなら、ハズレだったらただじゃおかないぞと言ってやった。
電話を切った後、唯一携帯のアドレスを知る武田から、極秘ファイルのタイトルを付けたメールが届く。
お前好みだとの注釈付きで。
開けて、しばらく返事が出来なかった。
天使がいた。
わたしの天使が…黒い髪で地上に降りたかのように。
思わず武田に電話を掛けた。
『 いつ連れてくる? 』そう聞けば、明日の午後からだという。
朝から来い…そう言い切ったら、電話の向こうで笑われた。
『 わたしらしくない 』…と。
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