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5一6
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「幸太郎………。
お前………それで良いのか?」
幸太郎が好きになった奴は、密かに片思いをしているという。
それも何年も…ずっと…。
でも、幸太郎もそいつに片思いしてるんだ……よな………。
なんだかやるせない気持ちになる。
「幸太郎が、ここを離れても、俺がいつでも帰って来れる場所を作ってやる。
そのために俺は、上を目指す。
必ず生き残れ。
そして、帰って来い。」
「ありがとう、泰司。」
俺が会社でお前の…幸太郎の居場所を作ってやる。
幸太郎がそいつとの関係に踏ん切りがついたら、幸太郎を優しく包み込んで、俺が幸太郎を支えてやる、ずっとだ。
幸太郎が分社に移った後、報道部門は大変だったらしい。
幸太郎の抜けた穴は、予想よりも大きかった。
落胆したのは、報道だけではなかった。
田邊専務も幸太郎を推していただけに、かなり落ち込んだらしい……と、噂で聞いた。
俺が、あいつの…幸太郎の抜けた穴をうめる事は出来ないが、まず編集部部長にならないと…だな。
地味に努力するしかない。
分社化したのはアリス出版社と言って、主に官能小説を扱う。
だからなのか、最近の幸太郎の口調は、どことなくエロくなった気がする。
以前の爽やかなイメージとは違い、絡みつくような視線をよこす時がある。
ドキッとする。
そんな時は決まって、ホストクラブへ出掛けてしまう。
有り余る熱を…欲望を、吐露するために。
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