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間違い 3※
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ゴールデンウィークに入った五月
ミケと一緒に暮らし始めて早くも一ヶ月がたっていた。
端的に言って、ミケとの生活は楽だった。
猫っぽいというのはあながち間違いではなく
繊細そうなイメージからは想像がつかないくらい私生活は雑で荒っぽい
日向があればフローリングだろうとなんだろうと寝転ぶし
風呂から出た後は髪を乾かさない
口を大きく開けて笑い、よく食べてよく寝る。
繊細さなんてどこにもなかった。
「ニシナさ〜ん!はい、ご飯」
料理ができないわけじゃないようだが、俺が作った方が美味しいからと早々に役割分担をした。
俺が作ってミケが盛りつける。
こんな生活も悪くない。
ミケには申し訳ないけれど生活用品、食器の類は前の恋人が置いていったものを使ってもらっていた。
生活用品と言っても衛生的に気になるものは、置いたままだったものでも新しいのを買った。
それに対してミケは何も言わない。
俺の前の恋人についてとか、初めて会った日、
ミケと恋人になった日以来俺達はお互いのことについて何も聞かなかった。
いまはゴールデンウィークで休みだけれど
平日は俺も仕事がある。
好きにしていていいとは言ったものの
ミケは学校に行っているのだろうか?
必ず俺に「いってらっしゃい」と「おかえりなさい」を言うミケ
いってらっしゃいは布団の中で寝ぼけてだけれど嬉しいことに変わりはない。
そもそもミケは何歳なのだろうか
考えないように考えないようにしていても
やっぱり考えてしまう
けれど、この関係が崩れてしまいそうで俺にはそれを聞く勇気はなかった。
「ニシナさん、箸止まってるよ〜」
「、ああ。ごめん。」
「…。」
じーっと丸い大きな目で見つめられる。
何もかも見透かされている気分になるこの視線は、少しだけ苦手だ。
「ニシナさん、ニシナさん」
ぱっとなにか思いついたようにミケは嬉々として俺を呼ぶ。
こういう時は突拍子もないことを言ってくると最近知った俺は白米を飲み込んで「どうした」と一言だけ返す。
お茶でも飲むか…
作り置きしている麦茶をコップに注ぎ一口
「ご飯食べ終わったらエッチしよ!」
「ブッ…………」
見事、口からお茶を吹き出した。
「うわっ、汚い!もー気をつけてよ~」
いやいや、誰のせいだと思ってるんだ。
そりゃ恋人としてそういう"恋人らしいこと"に誘われて悪い気はしない。
だが、タイミングだ。
TPOというものがあるだろ…
ここは家だからいいと言えば良いがタイミングがいけない
「ミケ、ご飯中」
「えー?でもニシナさんなんか難しい顔してたからさ」
「…、」
「俺わかっちゃうんだよね。ニシナさんのこと好きだから」
ほらまた突拍子もない
ミケは思ったことはすぐ言葉にする。
恥じらいなんかどこかに置いてきたのかってくらいに
俺はあの日がおかしかっただけで
普段からそんなに好きだのなんだの言えるタイプでは無いんだ。
本当にあの日がおかしかっただけだ。
………それともミケは言い慣れてるから、なのだろうか。
やめだやめ、そんなこと考えても意味は無い
腹の中で黒いモヤが蠢いているみたいだ。
、
ミケはセックスの時は別人のように艶めかしく情欲を誘う
予想以上にハマってしまっている自分がいるのも事実だ。
「ぁっ、んんっ……に、しなさっ…っと、もっと」
お強請りが上手い
本人は分かってやっているのか定かではないが
もっともっと、と求められれば意地悪もしたくなるけれど
それ以上に甘やかしたくなる。
初めてシた時、
それはミケが家に来て一週間くらい経った頃
風呂から上がったミケの髪を乾かしていたら
まだ乾ききらない髪を揺らして俺に抱きついてきた。
それまでそんな素振りを見せてこなかったため驚いたのを覚えてる。
そこからはもう流されに流された。
最後までするつもりもなかったのに
大人気もなく夢中になってその身体を貪り尽くした。
少し前のことに思考をトリップさせていれば
くんっと爪の先が背を引っ掻く
「ミケ?」
「俺と、ん、シてるのにっ、…考え事?」
「っ、」
暗がりでもわかる綺麗な翠
潤んで歪んだその円が俺を映して逸らせない。
腹の内側に芽生えるのはもっと泣かせてドロドロにしたいという
およそ穏やかとは言えない感情
「あっ、いいっ、そこっ、あ、もっ、とぉ…」
「、」
奥に奥にと感情が急ぐ中
僅かに残る理性で腰を進めては引いてと律動を繰り返すと
ふやけた表情に高揚したとわかる上ずった声
肩甲骨あたりの肌に食い込む爪の感覚が夢ではなく現実だと知らせる。
「かっ…ん、しなさっ、いってっ、言っ、て、」
言う?
何を、
なんて考えたけれどこんな時に恋人に言う言葉なんて決まってる。
それこそ、いつも伝えられないのに今も伝えられないとかありえないよな
「ミケ、好き」
「ひっ、ぁ、ああっ!はっ、あっ、あ、」
ピッタリとくっついては俺の形を確かめるように蠢く狭く柔らかいミケのナカ
危うく欲を吐き出しそうになるけれど耐える。
「好き、ミケ、好き」
「あっ、だめっ、耳だ、めっ、あ、やだっ、」
「なんで、ミケが欲しがったんだろ、ッ」
ゆっくりと腰を引いてミケのいい所を目掛けて穿つ
いっそう激しく身体を跳ねさせて啼くミケ
胸を弓なりにしならせて登っていく快感を必死に逃がしてるみたいだ。
俺はそんなことお構い無しにまた律動を再開させる。
腰を掴んで奥に自身のを強く打ち付ける。
「あ、あっ、んぁ!、まっ、ぁあっ、」
ミケが首を降る度に枕にパサパサとオレンジが散らばる。
俺は芸術とかわからないけれどその様がひどく、ひどく印象に残った。
綺麗だ、と
その瞬間、言葉にしがたい感情が腹の中で渦巻く
なんだこれ
ミケ、ミケ、ミケ、ミケ、
うわ言のように名前を呼んだ。
俺だけの、俺とミケだけの名前を
「ぁ、ふ、ぁ…に、しなさっ、」
不意に熱い指先が俺の頬を撫でた。
「だ、いじょうぶっ…ぁ、んっ、からっ…」
大丈夫
なにが、大丈夫なのだろうか。
「ん、……っあ、ちょうだいっ、」
優しい微笑みに無性に泣きたくなった。
俺はこの感情を見て見ぬふりをするように
勢いよく腰を打って、ミケのいい所を突き上げる。
再び嬌声に変わった啼き声に酷く安心を覚える。
声とも言えない息を吐き出し絡みつくミケのナカから自身のを抜き去り、そのシルクのように白く綺麗な肌を汚した。
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