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間違い 18※
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年が明けた。
それももう今では少し前のこと
二月
加速して過ぎていく日々に眩しさを覚えながらも寂しさを抱えた。
平日は俺は仕事に行き、週末はミケと出掛ける。
遊園地に、レジャー施設、ショッピングモールだったり美術館、はたまた博物館
二人で様々なところに出かけた。
もう安定と呼べるほど慣れてしまったそんな日々に時々、
砂時計の底が無くなったみたいに胸にぽっかりと穴が空く。
それはミケが隣で寝ている時だったり
はたまた座っている時だったりと色々だ。
俺はミケからの話がない限り
永遠と待て、をされている状態で
気にならないように考えていてもやはりふとした時に思い出す。
こうしていられるのもあと少しだ、と。
「ニシナさん?」
「…どうした」
今日はミケの要望で地元から少し離れたところにある
小さな映画館
上映している場所が限られているドキュメント映画を観に来ていた。
大自然の中で生きる鳥がテーマのようだ。
こういうのはあんまり自分じゃ観ないから意外と面白いところがある。
なんて思っていた矢先に思い出してしまったミケとの時間
せっかくの映画なのに全然集中が出来なくなってしまった。
暗がりで、映画館で、ミケはこっそりと耳打ちするように声をかけてくる。
どうしてこういう時ミケはいつも俺の異変に気づいてくれるのだろうか
感情表現が苦手、とまではいかないけれど
ミケのようにわかりやすくもない。
それでもミケは俺のそれをいつも拾ってくれる。
それが眠ってる時でも
眠そうな目を擦りながら大丈夫、と頭を撫でる。
本当に、不思議だ。
「つまんない?」
小さくミケが呟く。
「いいや、意外と面白いもんだな」
そう返すのが精一杯で俺は映画に向き直った。
ミケを楽しませることがこの週末の役割だ。
それを俺が壊す訳にはいかない
忘れろ、今は考えなくていい
心配そうなミケの視線に俺は気付かないフリをした。
、
「雛鳥の成長ストーリーかと思ったらまさかの展開だったな。」
終わるや否やミケが感想を嬉々と語ってくるかと思いきや
そんなことはなくて、俺がそうなげかけても何か考えているようで反応はなかった。
どうするか、とミケの反応を待つと
急に立ち上がって俺の手を引くミケ
黙ってついて行くと
着いたのは映画館に備え付けられている
汚くも綺麗でもない男子トイレ
そんなにトイレに行きたかったのか?
入口で待ってるか、と思えばまだ引かれる手
「ミケ?」
個室に連れていかれさすがに訝しげにそう名前を呼べば
性急にカチャカチャと俺のベルトを外し始める。
は?
「ちょ、ミケ、なにして」
さすがに焦る。
いや、無言で急にそんなことされたら誰だって焦るだろ
それでも止めないミケの腕を取って扉に縫い付ける。
ミケの顔は俯いて見えない。
「急にどうした?」
「…だって、俺、これしかわかんない」
「?」
ポツリ、と発せられた言葉は聞き零してしまうんじゃないかってくらい小さくて
ミケの口元に耳を寄せる。
「ニシナさん、今日楽しそうじゃ、ないから…」
「、」
「俺ばっかいっぱい貰ってるから、何か、返そうと思ったけど…」
わかんなくて、これしか思いつかなかった。
ミケはそう力なく言った。
俺は喜んだら良かったのかもしれない
けれど何故かこの時俺は、無性に腹が立ったんだ。
俺はミケの身体が目的で一緒にいたいと思ってたわけじゃない
ミケという一人の人間に、男に惹かれたから一緒にいたかった。
それが伝わってなかったのかって
別にミケはそんなこと一言も言ってなかったのに
俺は一人、言い様もないほどの虚しさを抱えた。
「え、」
ぐいっとミケの腕を引っ張って反対を向かせる。
扉に手をつかせてミケのズボンを下ろす。
「なに。」
困惑するミケに出た言葉は、
自分でも驚くほどに冷たい声だった。
「に、しなさ…っ、待って、そんな急に入らなっ…い゙っ!…ぁ、」
「昨日もシたから大丈夫でしょ」
俺は容赦なく慣らさずにまだ勃ちきらない自分のものを擦って無理矢理ミケのナカに挿入れた。
昨日もシたから切れてはいないものの
全く慣らさずに挿入れられたミケは苦しそうに息を吐いた。
「ごめっ、なんでっ、なんでそんなっん…あ、やだっ、あっ」
「っ、はっ…はっ……」
いつもよりキツく締まり異物を追い出そうと蠢くナカに待つことなく腰を進める。
直ぐにミケの腰を掴んで律動を繰り返した。
腹の中で今まで溜めて、見せないようにしてきたものが堰を切ったように溢れ出した。
泣かせたくない、汚したい
笑っていて欲しい、壊してしまいたい
矛盾した感情は思考を鈍らせる。
「待っ、あっんっ、やっ、あっ、あ、あ…」
「なんだ、っ、ミケも反応してるじゃん」
緩く立ち上がって反応を見せるミケのに手を伸ばしてナカと一緒に擦りあげる。
ミケはいやいや、と首を振って涙していた。
ここが何処だとか、ミケが泣いている、とか
考えなきゃいけないことが沢山あるのに腰は止まらない
「ニシ、ナさっ、やだ、顔っみたいっ、お願っんあっ、お願いっ!」
懇願する声に一瞬我に返り
挿入れたままミケの向きを変える。
ぐり、といい所を刺激したのかミケは嬌声を漏らした。
腰を引いて、もう一度最奥を突こうとした時
頬を暖かいものが包んで引き寄せられる。
唇に触れた柔らかな感触
開いた隙間から入ってくる熱い何かに真っ暗だった思考が少し晴れる
「んっ、ふっ、ん…んん、んっ」
一生懸命なキスにぐちゃぐちゃに絡まった感情が解けていく
絡まった舌に優しく溶けていくようなキス
混ざり合い飲みきれなかった唾液が口の端から零れた。
「はっ、は、ぁ…落ち、つい…たっ?」
「…みけ」
「ん。俺だよっ、ニシナ、さん…」
眉を八の字にして心配そうな顔するミケ
あんなに酷い扱いしたのにどうしてかミケは俺ばかりを気にする。
「ミケ…」
「うん」
今度はそれだけ呟いてもう一度唇を重ねた。
さっきのような荒々しい腰つきではなく
優しく、深く、ミケを求めて
次第に変わっていく甘い声に脳は痺れていく
ごめん、言葉にしようとしてミケに首を振られる。
優しくまたキスだけされてちょうだい、とナカを締め付けられた。
本当に情けない
ミケ、なあ、ミケ
俺はやっぱり耐えられない
お前がいなくなることに耐えられそうにない
ミケ、ごめん
どうしようもなく好きなんだ。
傷つけたいわけじゃない
ただ愛したい
俺の手で、俺だけの手で
初めて、ミケと一緒にいることに後悔をした。
一年間なんて約束、しなければよかった。
まだ、お前の隣にいたいんだ。
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