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プロローグ
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橘 零治━━━
日本のホテル業界をしきり世界各国に支社を持っている、そのトップに立つ人物こそ橘零治である。
学生の頃から容姿端麗・頭脳明晰・将来有望の彼の周りには常に人だかりが出来ていた。本人も優秀なら周りも優秀な人物が集まり、その頃から様々な業界に関してパイプを張り巡らせていた。父から会社を受け継ぎ、 30歳になった彼は今日も事業拡大に精をだしている。
その彼の側に立ち本日の予定を伝えているのは橘零治が他の子会社より引き抜いた優秀な秘書の、朝比奈真琴である。
「社長、本日のご予定ですが10時から第2会議室での会議、13時からは新しく立つホテルの建設予定地をまわって頂きます。19時には一之瀬社長との会食になります。予定は以上になります。」
「あぁ。分かった。にしても一之瀬か……大学以来になるな。あいつも社長になったんだな。」
「はい、大学のご友人でしたら仕事の話もそこそこに昔話に話を咲かせてください。ここのところスケジュールが些か過密でしたのでどうぞごゆっくりと。」
「ははっ。さすが朝比奈だな、優秀な秘書を持てて私は嬉しいよ。会社は残念だったが、お前を引き抜けて良かったと思っているよ。」
「い、いえ!私の方こそ社長に拾っていただいて、今住んでいるところまで何もかもお世話になっている身ですので社長のお役にたてるのでしたら精一杯努めさせて頂きます。」
「頼もしいな。ではお言葉に甘えてそうさせてもらうとしよう。後は会議の資料を後で佐々木に届けるように伝えておいてくれ。」
「かしこまりました。」
朝比奈真琴は以前同じホテル業界ではあるが橘グループとは違い小さな会社に勤めていた。ところが勤めていた会社の重役達が会社のお金を横領するなどの罪を犯していた。奇しくも同じグループに属していたため警察沙汰にはせず、その会社を切り捨てることで事態は沈着化した。横領の罪は重くのし掛かり、関係のない朝比奈も被害を受けることとなる。グループから切り捨てられた会社の社員など誰がもらい受けるのか。再就職にせよ、横領という言葉がついて回りいい会社につけるのは無謀だった。朝比奈は漠然と実家に帰ろうかなんて考えていたところに現れたのが橘グループのトップである橘零治だった。彼は言葉巧みに周りを納得させ、朝比奈を自分の秘書につかせた。前の会社でも優秀であった朝比奈は秘書の仕事にも直ぐに慣れいまだ疑いの目を向けられていた社員にも認められるようになった。だが、まだ納得していない役員たちも少なからずはいる。
社長に拾われてもう5年は立っていた。これからも、朝比奈が支えるのは尊敬する橘社長ただ一人であることを心に決めていた。
社長が住んでいるマンションの一室を借りて今は過ごしている。社長いわく、『私の1階下がたまたま空いているからそこに住めばいいだろう』というなんとも太っ腹なお考えらしい。それにより朝比奈は仕事にも住むところにも困ることなく生活できている。
━━━━━━━
会議の資料の作成や、誤字脱字の確認、今後のスケジュールを立てながら今日も一日が過ぎていく。時計を見ると18時20分を指していた。社長を会食のお店に送り届けるために準備をする。
「社長、そろそろ会食のお店に向かおうと思います。地下に車を回しておきますのでお送りします。」
会食のお店は老舗和風の創作料理店。超高級と言うわけではないが、店の外観や内装などで品のよさを出していた。
「お帰りは何時頃になさいますか?」
「帰りはタクシーで帰るから大丈夫、朝比奈はこのまま直帰で構わない。お前もゆっくり休むといい。では、お休み朝比奈。」
「かしこまりました。お休みなさいませ、橘社長。」
車をマンションまで走らせ駐車場にとめる。今日も一日が無事に終わったのだと方の力を抜き、自身の部屋に着く。シャワーと軽めの夕食を食べて、明日のスケジュールを確認するとゆっくりベッドに沈んでいった。
その頃、橘はというと大学からの友人である一之瀬と酒を酌み交わしていた。
「いやぁ、にしてもさちらっと見たけどやっぱりあの秘書さん綺麗だよな。いろんなとこの会社の奴等が狙ってるって話聞いたぜ?」
「あれは物ではないが私の物だ。他の会社には絶対にやらないぞ?お前のとこにもな。」
「あははっ!そうかそうか。天下の橘社長が守ってるって訳か。それなら安心かもな!でも気を付けろよ~立場の高い職についてるやつほど変態で、秘書さんみたいな美人さん掘ってあんあん言わせたいんだから。」
「全く困ったものだな。」
朝比奈は他の会社に行くときも橘の側につきサポートをしているため、他役員たちに顔は知られていた。朝比奈の美貌は知られており、あの完璧な橘の側につく若く美しい秘書だと。他会社にも是非うちに欲しいと言う声をもらう。が、橘としては朝比奈を手放すつもりはなかった。朝比奈の優秀さは橘も認めており、代わりはそう居ないと思うほど。
朝比奈は性対象はもちろん女性のノーマルである。それゆえにそれを崩したいと思っている輩が後を立たないのだ。
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