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双葉 翡翠
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いつも通り、なんともない日常。
芸能人が居て、一般人が居て、老若男女がいる。
そして少し便利な魔法持ちがいる。
魔法とは、機械や道具を用いらずにできる超常現象や科学結果。
別に無くても困らないがあったら少し楽だなぁ、という程度。
持っていても差別は無いし上下関係も無い。
世界の当たり前の概念。
「…ということから魔法と言うのはーー」
少しハゲヅラの教授が黒板に書くことをノートに写す。
羨ましいと思うことは無くは無い、そんな感じ。
ハゲヅラの教授の魔法だって少し遠くのものを動かす程度、今黒板に文字を書くのに使っている訳だけど重いものは無理みたいだし範囲だって限られてる。
黒板の上の方を消す時はかなり楽だなぁとは思う。
「魔法なぁ…」
発見されたのは600年程前、どこかの国の民族が魔法持ちの子供数名を神として崇めていたらしい。
その子達もちょっと空中に浮けるとか、ちょっと火を吹けるとかそんなだったと。
周知の事実になった途端他国の魔法持ちが次々と見つかり、悪魔の所業だと思って隠している人も居た程。
勿論日本でも見つかって一気に新しい概念が出来た。
まぁでも和服着たおっさんがいきなり空飛んだり火吹いたら一瞬でも神と間違えるよな。
よく日本は落ち着いていられたもんだよ。
「…と、今日はここまで。」
考えに耽っていたら授業は終わり帰宅時刻になった。
教授の魔法を横目で見ながら荷物をまとめて教室を出た。
「翡翠(ひすい)!
この後暇か??ボウリング行こうぜボウリング!」
後ろから元気すぎる声が聞こえ背中と首にどっしりとした重みがかかった。
「…お前かよ、竜馬(たつま)…。
まぁバイトも無いし良いけどさ、どこのボウリング?」
「駅から5分くらいに出来たろ?ちょっと大きめの。
あそこ行こうぜ!」
「りょーかい。」
高校から一緒に進学した竜馬は俺とは違う学部だけれど時々こうやって誘ってきてくれる。
よき親友だ。
こいつも魔法持ちで髪の毛を固くしたり柔らかくしたりできるらしい、ワックスいらずなのは羨ましい限りだ。
ふと窓の外を見ると曇天からチラホラと雨粒が見えた。
傘持ってたかなぁ…置き傘ってまだ持って帰ってなかったか?
少し憂鬱な気分になりながらも出入口まで歩いていった。
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