アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
双葉 翡翠④
-
「ありぁとざっしたぁ〜」
やる気のない店員の声と共に自動ドアから竜馬が出てきた。
妙に袋が大きい気がする。
何か買ったのか?
「何か買ったのか?」
「ん〜、そういや最近無くなったな〜と思い出しただけだよ。」
「??、ふ〜ん。」
竜馬が傘を開いて、その中に入る。
なんだかんだこういう所は優しいんだよな。
良い奴だ。
「たーつまっ。」
「ん?なんだよ。」
ガサガサと袋を腕に通しながらこちらに目線を落とす。
茶色の瞳と目が合う。
「好きよ、だーりんっ」
手をグーにして自分の顎の下に持っていき、精一杯目をかっぴらいて上目遣いを仕掛けてみた。
「…っぶっはははは!」
竜馬は一瞬耐えたがすぐに吹き出して笑った。
俺は続けてそのポーズのまま「だーりんっ」とオウムのように繰り返し言った。
竜馬がゲラゲラ笑うせいで傘は大きく揺れるし、背中は濡れるけど面白いので気にしなかった。
「ひーーっ!!」
竜馬が引き笑いになったのを確認してもう辞めた。
充分だ、面白かった。
「俺も好きだよ、翡翠。」
竜馬は笑いながらそう言った。
「ばっか、そこはハニーだろー?」
「やべ、ミスっちまった。」
他愛もない会話をしながら俺の住んでるマンションに向かった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
4 / 5