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友人の時間 ~隠し事~
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クラスにも多少慣れてきた頃
交流会と称して球技大会が行われようとしていた。
「別にやらなくてよくない?」
「だりぃ…」
「俺、おじさんだから審判ね」
「はぁ?!ずるっ!ないからっ!」
「馬鹿野郎!お前らと体力一緒にすんなよ!」
「拓兄、無駄筋肉やん」
「好きでついたんじゃねぇよ!」
大会前に練習を1日設けてもらった日
各自、動きやすい服を持ってくるようにと言われ
みんな文句をいいながら渋々それに着替える。
「ヒカ?どこいくんだよ」
皆が着替える中
一人だけ教室を出て行く光に拓也は気づいた。
「ん?トイレ行ってから着替える」
そう言って振り向きもしないで
歩みも止めないで光は行ってしまった。
そんな光に疑問は持たないで拓也は着替えの続きをしたが
戻ってきた光は着替えていた。
そこで初めて拓也は
わざわざ着替え持って行ったんか?!
と思ったが思い当たることがあって見て見ぬ振りをした。
球技をするグランドまでみんなで歩いている途中
光の隣に拓也は並んだ。
「やっぱ、ヒカは体型気にしてんの?」
初日の帰る時だ
拓也が言った食事の話
光は体型のことを言うな!と言ってきた時のことを拓也は思い出していた。
あれはふざけ合っての会話だったと思っていたが
光にとって本当のコンプレックスだったのかもしれない。
皆に見られたくなくてトイレで着替えてきたのかもしれない…
「あ〜まぁね
オレいじられキャラになりつつあるからさぁ」
「お前、からかいやすいからなぁ
んじゃぁお兄ちゃんが避けれるようにしてやるよ!」
「だいたいは拓也がしてくるけどな!」
光は笑いながら拓也の背中を日頃の仕返しの様にバシバシ叩いた。
「いてぇよ!」
そんな痛くもない攻撃をワザと痛がりながら
いつものノリで…
いつものふざけ合う時のように
叩く光の手を止めようと拓也はその手掴んだ。
光は掴んできた拓也の手を瞬時に払いのけた。
「あっごめん!拓也の手が強かったから痛くてさぁ」
「…ごめん…」
「皆に置いてかれてんじゃん!早く行こ!」
痛いか……?
確かに手を捕まえるために多少の力ははいるが
いくら細い身体の光でさえ痛がるほどの力を入れた覚えはなかった。
初めての違和感だった。
日は浅いが
学校生活で常に一緒にいて
初めての違和感と何かあるような疑惑のような不安感
光とはふざけ合って
さっきみたく叩きあったり絡んだりと
肌に触れ合うことは度々あるが
あんな反応は初めてだった。
俺に謝る前に一瞬
バツが悪そうな顔して眉毛を寄せて…
いつも笑っている光が初めて見せた顔
誤魔化して笑おうとする光が明らかで動揺してたのが分かった。
手に触れたから?
本当に痛かったのか?
いやいや、先日に腕相撲をしたじゃんか…
手も握って力も断然入れ具合が違った…
なんだ?なんだ?
全く思い付くものがない。
ただ光に聞いてはいけないと分かった。
なんとか理由を探りたいと考えてる拓也に対して
光は逃げるように前を行く皆のもとに走って行く。
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