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片想いの時間 〜日常が変わった日〜
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「これ、おみや~♪」
友人に渡されたのは一個のチョコレート。
「行ってきたから皆と分けて食って!一人一個だからな!」
友人が先週の日曜日にオレと拓也が行った東京ランドに行ったらしい
皆との食事を断って来てるから買わないで秘密にしとけと拓也に言われて買わなかった。
あの日
パレードが終わると自然と手を離され
ただの友人に戻った。
あの時が嘘だったんじゃないかと思うくらい
拓也とはまた以前みたいにただの仲良い仲間の一人になっている。
拓也は少なくともそうだろう…
「拓にぃ食べないの?」
「んー…バイトで寝不足だから食ったら胃もたれ起こす…絶対に…」
椅子に深く座り込んで足を投げだしダラけてる拓也にチョコレートを差し出す友人から受け取ったが一向に食べないのを問われていた。
拓也の膝に友人の一人が座る。
前までは気もしなかったそのワンシーンに少し嫉妬の色が染まる。
自分のものではないのに厚かましいと分かっていてもだ。
「ヒカ〜代わりに食べなぁ?」
拓也が手招きをしてチョコレートをオレに差し出す。
それはオレだからくれたの?
と、勘違いをしたくなる。
特別扱いをされたのは確かだけど
それはオレじゃなくてもそうだった?
と、聞きたくなる。
どう考えたって男のオレには脈があるわけない。
今までの拓也の恋愛をずっと聞いてきたから尚更…
なのにもしかしてを考えてしまう…
またあの時の苦しみが始まった。
中学生の時だ。
自分を理解してくれて常に一緒にいた友人に恋をしてしまった。
自分が同性愛だと悩むよりも
嫉妬と期待と嫌悪感で苦しくて苦しくて
ついに一緒にいられなくなってしまった日
拓也とはずっと卒業まで一緒にいたい。
苦しくても友人を貫き通すと決めたのに気持ちは直ぐ裏切る。
「どうしたの?光」
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