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片想いの時間〜近くて遠い5〜
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夏休み入って直ぐのキャンプ…
あれから一切光とは会わないまま夏休みが終わった。
花火を誘っても予定が合わないと断られ
祭りを誘っても…
ただの遊びの誘いさえも…
予定が合わないなんて嘘も明白
服の洗濯はいつになったら終わるんだよ
自分も他の友人と予定があったり
夏休みのバイトは稼ぎ時だからさほど暇ではなかった。
ただ一ヶ月以上もあった夏休みに光に会う機会がないとやっぱり避けられてると思うしかない。
学校に着くといつもの中庭の喫煙所に向かう
喫煙所には俺を待っていたかのように光がベンチに座っていた。
「あっおはよう!久しぶり」
「お…おー…」
何ら変わりない光に拍子抜けして思わず変な声が出た。
「夏休み誘ってくれてたのにごめんな?これ…服ありがとう」
「いや?俺もバイトガッツり入ってたから」
タバコに火をつけて光の隣りに座り服の入った袋を受け取る。
俺とは違う色白の細い腕に頼りなさを感じた。
「オレさ…夏休みの間
いくらなんでも拓也に甘え過ぎてたなぁって反省してた。」
「いきなり何?別にそんなことねぇよ」
「拓也は嫌がるけど…やっぱり優しいから
時々頼らせてもらってオレ頑張るわ」
「……分かった。」
唐突に何を言いだすかと思えば
なんだそれ?何も分からない。
せっかく弱みを見せてくれてた薄い壁が厚くなる。
あの時言わなきゃよかったと思った。
「でも…電話はしろ…」
「ありがとう、そうする」
念を押すことしか出来ない。
これが異性なら意識をしてくれてもおかしくないと思う。
同性は厄介だ
時々、同情と心配で勘違いをしてるんじゃないかとおもったりするが
着信を気にしていた休みはやっぱりそうじゃない
と知らしめされた。
「今日予定は?午前中で学校終わりじゃん?」
「開店準備からバイト…」
「そっか…夏休み会ってなかったから今日は遊びたかったんだけどなぁ」
「明日にでも飯食おう」
「うん
んじぁ今日はどっかフラつこう」
「たまには真っ直ぐ帰れ」
帰ったら暇なんだと笑う光に違和感はなかった。
予鈴がなる。
いつものようにタバコを捨て光と教室に向かう。
学校が終わればバイトをして深夜に帰宅して
寝不足で学校に行く…
なんら変わらない
いつもの学校の日常が始まるはずだった。
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