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第3章
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授業を終え、HR終了のチャイムが鳴り響く。
やっと今日が終わった…早く帰りたい…という思いを胸に、いそいそと帰り支度を済ませ、席を立つ。ーーと、
「おっ疲れ〜!」
席を立っては彼ーー皇 隼人(すめらぎ はやと)に肩へ腕を回される。
「…うっざ」
心底イラッとしたような声音で俺が言っては、とくに悪びれる様子もなく肩を竦めて、腕を解く。
「ったく…裕也ちゃんはツンの割合が多すぎなんだよな〜」
隼人は揶揄うように笑っては「ほら、一緒に帰るぞ」と歩き出した。
皇 隼人、オメガ管理局局長の一人息子でアルファ。幼い頃からの幼馴染で、俺はコイツにだけは心を許して、素で接している。コイツだけは、なんだかんだ言って特別な存在だ。
教室を出て、彼と並んで歩いては、ふと思いたったように彼に話し掛ける。
「…そういえばさ隼人、隼人が18の誕生日迎えた時はどんな感じだったんだ?」
隼人の誕生日は、俺より2ヶ月程早く、隼人には既に番のオメガが居た。聞くところによると、彼は隼人より年下らしく、とても素直で賢い子らしい。
「ん?…ん〜、どんなって…ん〜、俺が説明するより、さっさと帰った方がわかりやすいと思うぜ?」
…隼人に…もといこのアホに訊いた俺が馬鹿だったな。
全く参考にならん意見だ。
「でもよ〜、裕也お前、番う気ねぇんだろ?お前ん所来たオメガ、可哀想じゃね?」
と、隼人は苦笑しながら言った。
俺は構わずに
「知るかんなもん、絶対に番わない。法律?それがなんだ。法律が間違ってる。」
隼人は面白そうに「へいへい」と笑って、下駄箱で靴を履き替えた。
家に帰るのは憂鬱だが仕方ない。
やけに暑い日差しが照りつける中、俺達は学校の外へと足を踏み出した。
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