アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
第4章
-
途中の道で隼人と別れてから、10分程で家へ着き、エレベーターへ乗り込んだ。
「あっちぃ…」
歩いている内に胸元までじっとりと汗をかいてしまい、制服のシャツが気持ち悪く湿っていたので、身体から引き離すようにシャツを摘み、パタパタと風を送り込んだ。
少ししては直ぐに目的の階に着き、エレベーターが止まった。
いつも通り俺はーーとなる筈も無く、エレベーターを降りて直ぐの俺の部屋にはオメガの匂いが漂っていた。
思いっきり顔を顰めながら、ドアを開ける。と、そこには可愛らしく正座したオメガが居た。
「お、お帰りなさいませ!ご主人様!」
健気そうな声とともに綺麗な動作で頭を下げるそのオメガは、紛れもない男だったが、着ている服はどうやら、特注品のワンピースのようで、首元が大きく露出されており、スカートの丈も、彼のそれが見えそうな長さだった。
彼は頭を上げると俺の顔を見て、ニコッと笑った。まるで、花が咲いたような笑顔だった。ーーが、彼は紛れもないオメガだった。部屋に漂っていた俺の匂いに興奮していたのか、彼のそれはしっかりと自身を主張していた。
俺は彼のそれを一瞥しては、彼を睨んだ。
「誰だよお前。ってか、俺の部屋に勝手に入ってくるとか気持ち悪い。近寄るなオメガ。」
彼は酷く傷付いたような表情をしたものの、直ぐにふわりと微笑み、
「失礼致しましたご主人様。僕は魅花(みか)と申します。ご主人様と番わせて頂く為に参りました。ご主人様の気分を損ねたことをお詫び申し上げます。」
と、綺麗な謝罪の言葉と共に、再び頭を下げた。
俺は少し、悪いことをした。と思ったが、直ぐにその考えを振り払い、カバンを彼の傍に放って、近くのソファに座った。
「お前も哀れなオメガだな。…残念だが、俺はお前と番う気は無いぜ。」
彼はまた悲しそうな表情をするも、「お荷物お預かり致します。」と、俺のカバンを持っては立ち上がり、
「ご主人様は、誰か…愛していらっしゃる方が居るのですか?」
と静かに問うた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
6 / 18