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第7章
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彼は泣いていた。酷く、美しい表情で。
けれども彼は笑っていた。酷く、切ない表情で。
「あ、ありがとう…ございます…ご主人様」
一瞬の後に、彼が言ったことを理解した。俺は彼に心を囚われた気がした。何故自分の口角が上がったのか。それほどーー彼に見とれて居たのだ。
「あ、あぁ…」
彼に言葉を返しては深呼吸して頭を冷やし、先程の考えを振り払った。
彼に、次の命令を下す。
「…ポチ、俺の股間に顔を擦り付けてもいいぞ。お前の大好きな匂いを顔に付けてやる。」
敢えて彼自身で選ぶかの様に命令を下した。
彼は一瞬躊躇うも、直ぐに俺の股の間のソファに両手をつき、少し恥ずかしそうな表情で、しかし、どこか期待した表情で、俺の股間へと顔を埋めた。
「んっ…ふっ…」
匂いだけで感じているのか、時折身体をビクつかせ、甘い声を漏らしながら、彼は俺の股間に顔を擦り付けていた。
俺はそんな彼に、隠れていた嗜虐心を煽られた様だった。どうしようもなく彼の頭を自分の股間に押さえつけ、苦しませてみたい衝動に駆られた。
「んんっ!?んっ、んぅ…うぅ…んふっ…」
気付けば俺は彼の頭を思いっきり自分の股間へと押さえつけ、何度も何度も擦り付けていた。
最初こそ彼は驚き、抵抗する様子を見せるも、次第に大人しくなり、甘い声が漏れるようになっていた。
「ふはっ…おいポチ、主人の股間の香りはどうだ?」
彼の声がもっと聞きたくなり、質問してみた。
「はいぃ…だいしゅきな…ごひゅじんさまのぉ…おちんぽの匂いぃ…しゅごいれすぅ…」
思わず、彼の首を絞めた。自分でも何をしているのかよく分からない。ーーそれほど、彼の表情に興奮した。
彼は蕩けた表情で、呂律の回っていない口調で、俺の匂いに興奮していた。その瞬間、彼は俺が支配しているという喜びにも似た感情が芽生えた。
今だけは、アルファとか、オメガとか、どうでも良かった。
今この瞬間、この男は俺に支配されている。という快楽にも似た感情が俺を満たした。
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