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いつも頑張ってくれるニアのために、実晴は張り切ってご飯をつくる。
好物のツナ缶をたっぷりと使ったスパニッシュ風のオムレツは好評で、目を輝かせて「すごいすごい!」とはしゃぐニアに実晴も嬉しくなる。
「実晴はツナ缶を美味しくする天才だね。料理上手なお嫁さんをもらえて幸せだ」
「お嫁さんだなんて……恥ずかしいです」
ツナとトマトのパスタ、ツナときのこのオーブン焼き、ツナと豆苗の春巻など、実晴もツナ缶を使った創作料理を増やしていった。
何もかも手探り状態の、アルファの獣人との同棲生活。
どうやら生活サイクルはほぼ人間と同じらしく、朝と昼と夕に食事をとり、暗くなると疲れた身体を休めるために眠る。
教科書で読んだ4足歩行のネコは、昼間はたいてい眠っていて、夜になると活動する夜行性の動物と書かれていた。
毛玉の塊のような身体は抱くと気持ちよさそうだと、実晴は授業を聞き流しながら挿絵に見入っていた。
「フェロモンの分泌は落ち着いてきたね。薬の副作用はない? 別の同効薬に切り替えることも出来るから、辛かったら言うんだよ」
「今は大丈夫です。怠さも吐き気も驚くくらいなくて」
ニアの知り合いの医師に抑制剤を処方してもらい、実晴はきちんと国が管理している質のいい薬を服用している。
鼻が利くニアは実晴の首筋や脇から分泌されるフェロモンを、すんすんと嗅いだ。
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