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「よう。久し振りだなぁ」
雑多に腰まで伸ばされた灰色の長髪を靡かせて、その男はクリアブルーの目をぎらつかせながら実晴の顎を掬った。
長毛のラグドール種である譲葉[ユズリハ] ルカは、前のお見合いがきっかけで同棲していたアルファの獣人だ。
無理矢理番にしようと発情促進剤を盛られて、実晴は酷い目に遭わされた。
横暴なルカに耐えきれなくなって実家に逃げ帰ったけれど、実の両親は顔合わせで外面のいいルカを信用していたので、実晴の言うことを信じてはくれなかった。
そして譲葉家は婚約解消の慰謝料を、実晴に請求してきたのだ。
「あのときはよくも恥かかせてくれたな。オメガに逃げられたアルファだって、散々笑われたんだぜ」
「それは……あなたが薬を使って無理矢理……」
「まだそんな寝言言ってんのか? 結局、立証されなかっただろ。お前の発情期がきて、俺も逆らえなかった。完全な事故だったな」
ルカは悲惨な事故だったな、と笑い飛ばしながら、実晴の首筋に顔を埋める。
ニアと同様、鼻の利くルカは今1番実晴に近い人物を嗅ぎ当てた。
「ふぅん。今は宝条 ニアに飼われてんのか。通りで金も滞りなく返済出来てるって訳だ。1回いくらであいつと寝てるんだよ」
「あなたには、もう関係ない……」
「冷たくなったよなぁ、お前。最初は俺に気に入られようと必死になついてたのに。今度、ニアに会ったらどんなふうに抱かれてたのか教えてやろうかな」
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