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ーー当然だよね……ニアは誰に対しても優しいし、きっと僕以外にも番はたくさんいる。借金を返してもらって、後は項を噛んでもらえればオメガでも、普通の人と同じように生活出来るようになるから。
オメガという自分の特性を使って、ニアを利用すればいい。
そうやって強がっても心は虚しいままだった。
「ただいま、実晴。もう寝ちゃったかな」
玄関のドアが閉まる音が響き、照明を点けることなく暗い廊下を歩いてくる。
「お帰り……なさい」
とても笑顔で迎えられるような心境ではなかった。
ニアの顔を見ると優しくされたことばかりを思い出して、胸が張り裂けそうになる。
ーー嫌だ。ずっとニアの側にいたい。僕だけがいい、ってニアの口から聞きたい。
実晴はニアに抱きついて、首筋の匂いを嗅いだ。
他のオメガの匂いなんてしなくて、ニアの甘い匂いがするだけだった。
「今日はすごく甘えたさんだね。たくさん可愛がってあげるからおいで」
「あ……ん、んん……」
よほど欲しそうな顔をしていたからか、欲情している実晴の身体を慰めるように、ニアの大きな手が服の上を這う。
何かを隠されていたとしても、こうして触れてくれるのが泣きたいくらいに嬉しい。
実晴をそんなふうに変えたのは他でもないニアなのだ。
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