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ーー僕なんかが、他のオメガを好きにならないで、って言ったところで、ニアには届かない。
ああ、きっと面倒くさくなって捨てられるんだろうな、と思った。だから、最後のセックスは一生忘れたくない。
「ニアの好きなこと、したいこと……何でもするから……っ」
「何を言っているのかな……実晴は。俺はずっと前から実晴に愛を捧げてるよ」
乾いた笑いに、実晴は終わったな、と確信する。最後に噛まれてもいい。
ふとそんなことが頭をよぎったけれど、チョーカーを外す鍵が手元にないと気がつく。
もう、ニアは何も残してはくれない。
どうしようもなく、ニアを好きだという感情しか残っていなかった。
次に目覚めたとき、ニアは隣にいないのだと覚悟していた。
しかし、ニアは変わらずに実晴の隣にいる。
自然と手が頭に伸びて、柔らかい2つの猫耳をふにふにと触っていた。
ーーああ、どうしてだろう。ニアに触れると、愛しい以上の感情が溢れてくる。
捨てられるのが悲しくて、涙が流れている訳じゃない。分からない。掬っても拭っても溢れてくる。
「……実晴が泣いていると、俺も悲しいよ」
「ニアが……ニアが好きなの……。他に好きな人がいてもいいから、我が儘言わないから……最後には、このお家に帰ってきて……」
「……うん? 昨日から、ちょっと変だよ実晴……」
「だって……ニアには、僕以外に他に囲っているオメガがいるって」
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