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ニアといっしょ 新婚生活編
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ニアと番になり、発情期が過ぎ、早いもので一ヶ月が経った。
夜眠るときも朝起きるときも一緒。
一日の始まりと終わりが、こんなにも愛おしく思えるなんて、ニアと出会うまでは知らなかった。
ベッドを揺らさないように、実晴はシーツから脱し、いそいそと朝の準備にとりかかる。
ニアの大好きなツナとチーズを食パンに挟み、卵液と砂糖をまぶして甘いフレンチトースト風に仕上げる。
片手間に二人分のコーヒーを用意していると、長い腕がするりと首に巻きついた。
「おはよう。実晴」
「おはよっ……。や……くすぐった……」
ニアがやって来るときは足音一つさせない。
まるで狩りみたいだな、と思う。
警戒心のない実晴は簡単に腕の中へ捕らえられ、首筋や頬にキスを受ける。
時々、悪戯っぽく舌を這わせるから、逃れたくなってしまう。
「ん、あっ……ご飯、さめちゃうよ」
「いいよ。後でゆっくり食べるから」
「あ……せっかく、つくったのに……」
目線を朝食へずらせば、ニアも同じ方向を見る。
「実晴はずるいなぁ」
ニアは出来たての温かな食事を二人分、リビングのテーブルへ持っていく。
──え、あれ? もうキス……しないのかな。
腕と尻尾の拘束から解放された実晴は、何だか腑に落ちない様子で、コーヒーを両手に持ちついていった。
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