アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
絶望
-
頭の中が真っ白になった。
俺が守ってたはずの悠斗。
悠斗が。
悠斗までが穢される?
それとも悠斗がねだったのか。
稀にそういうやつがいる。
マムンの伽が即芸能界の成功だと思い込むやつら。
ああでも悠斗は違う。
違うよね?
違うよね??
不用意に、泣きそうな表情になってしまった俺を、爺いどもが興げに見る。
これは珍しい。
アイスドールが泣くぞ。
真嶋さん。
これはレアだ。
そうだろう。
こっちもレアを味わうとこだ。
裕太がからだ張って守ってたカワイコちゃんを、
と俺の背後に立った。
いただくんだからな。
何か当たったと思った時には遅かった。
激痛が、
激痛が、
激痛
うぎゃあああああああっ!!
うわああなんて生易しいものじゃなかった。
出産痛いって聞くけど同じくらいかも。
すげえ痛い。
痛いなんて生易しいもんじゃない!!
悠斗おおおお!!!
真嶋きさまあああああ!!!
話が違う!
話が違、あ、あああああああああっ!!!
俺は痛みで、裕太は絶望で絶叫していた。
クールビューティーの絶叫。
爺さんたちがニタニタ笑ってる。
マムン~真嶋陸翔(りくと)というのだ本当は。ずっとマムンと呼んでるから、誰も覚えていないのだ~が育てた逸材だが、感情もなく抱かれることで知られてた。
それが歯噛みし、泣き崩れ、怒りに震えているのだ。
拗虐者にとってこれほど面白いことはないだろう。
悠斗に、挿れたんだから、俺もう約束守る必要ないよな?
獣のような目でマムンをにらみ据えてる裕太だけど、爺いとはいえ相手は三人だ。
暴れても暴れても、裕太は自由になれず、そこと口を使われ続けた。
そして俺はそれを、真正面から見続けさせられたのだ。
自らもマムンにハメられながら、激痛と流血に泣きながら。
恋した女も無いままに、性の道具とされたのだ。
屈辱と、嫌悪と、苦痛と、驚愕。
そう。
驚愕。
だってそうだろう?
裕太は“俺のために”からだを張ってたというのだから。
そうだよ。
多田悠斗。
おまえがケツヴァージンでいられたのは、全部裕太が引き受けてたからさ。
おまえだけはピュアにしといてやってくれって誰かさんが泣いて頼むからさ。
でももう契約も切れるし、あいつももう使い古しだ。
ここらでミゴトに裏切られるのも良い人生経験だろ?
違うと思う……
でも痛くて、痛すぎて、口答え一つ出来ないんだ。
終わってくれ、終わってくれって、泣きながら祈るだけ。
SEXじゃねえこんなの。
拷問だ。
この拷問を、裕太、いくつからされてたんだ。
母親にいくつで売られた。
何百何千とやられてきたんだろ。
なのにずっとクールビューティーでいた。
心…
死ぬよな……
そんなおまえが守ろうとした俺は、いま、こうして、こうして……迂闊にも…マムンの餌食になってる………
怒ったおまえが暴れても、爺いどもは喜ぶだけ、おまえも力尽き、ついには暴行に身を任せた。
素通しガラスの壁挟んで、床でヤられてる俺とおまえは、いつしか互いに片手をのばしあって、ガラスを挟んで指先触れ合っていた……
性欲と征服欲。
二つの欲望の嵐の過ぎ去るのを待って、そこを出たのが明け方だった。
今日の予定がオフなこと自体、俺らを愚弄してた。
だってレイン、いまめちゃめちゃ忙しいんだぜ。
送りの外車に乗らず、俺たちは逃げた。
逃げたというよりさまよってた。
体中痛くて、ソコが特に痛くて、全身くまなく洗ったのにどこまでもどこまでも汚れてる気がして。
やだろけっこう。
うん。
気分悪い。
吐いた方がいいぞ。
耐えてるとどんどんブルーになる。
裕太……
何で俺を守ってた
聞くのが怖くて言えない。
おまえだけはピュアでいてほしかったとか言われそうで。
ピュアも何も、俺路上ダンサーだったんだぜ。
レインのファンとは寝てないけど、グルーピーはけっこういたんだぜ?
知ってる。
俺けっこう見に行ってた。
おまえのダンス好きで。
だから一緒にやりたかった。
わがまま。
マムンに見抜かれた。
それで……
それで俺はティアーかあー。
ごめん。
ごめん!!
好きになって!!
好きになってごめん!!!
からだ丸めて頭地面にこすりつけわびてる裕太は全然らしくなくて。
でも精一杯の気持ちなんだと痛いほど伝わった。
怒ってねーよ。
それよりうれしいかな。
おまえが前から俺のダンス好きってさ。
思い切って立った。
片手倒立からホッピング。
スタンダップに戻ってロボット。
ボディウェイブ流したら、裕太がウェイブ返してきた。
きれいな動きで。
それで十分だった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
10 / 22