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ケース1:幼馴染(妄想癖変態風味)
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あぁは言われたものの、愛されキャラって何なんだろう?
女の子ならこう、ゆるふわっとしてて家庭的でちょっとドジっ子で…
想像するだけで可愛いな、そんな彼女が欲しい。
森光は何て言ってたっけ。
自分の特技でアピール…だったか。
自分の特技、あの時の状況を思い返すと弁当のことだろ?
料理、ですか。
料理も洗濯も洗濯も必要だからできるようになっただけだし。
特技と言っていいものかどうか正直わからない。
周りの奴らは褒めてくれるけど。
「どうしたの、真智?」
キッチンでひき肉をこねくり回しながら自問自答していた俺は彰嗣が来ていたことに気付かなかったようだ。
顔を覗かせる彰嗣に吃驚して手の中のひき肉がぐにゅっと潰れる。
あぁ、せっかく成形していたというのに。
やり直しになってしまったグロテスクな肉にがっかり。
「森光の話、考えてたの?」
「んー…まぁ、」
もう一度塊を作った肉の空気を抜きながら、リビングへ行く様子のない彰嗣を見る。
森光ほどではないがそれなりに整った顔。
頭はよくないけど多少スポーツはできて、性格も明るくて。
そりゃ、モテるわ。
「…別にさ、よくない?」
勝手知ったる幼馴染の家。
彰嗣は椅子に腰かけてテーブルの上に置きっ放しのせんべいを手に取る。
それ、親父のだからな…知らねぇぞ。
「何が?」
「だから、別にモテなくてもよくね?」
「…自分はモテるからって、この野郎」
あ、また肉が指の間から逃げていく。
溜息と一緒に呪詛まで吐きそうだよ俺。
「そうじゃなくて!俺、やだよ?これ以上真智に惚れる奴できんの」
「…は?」
この男、何とんでも発言をしてるんだ。
俺はいまだかつてお前のお陰様でモテた試しはないのだが。
それが、俺に惚れてる奴がいるような発言ではないか。
あ、お得意の妄想ですか、そうなんですね?
思わず呆れ気味で振り返ると彰嗣は真剣な目で俺を見ていた。
「真智のこと一番好きなのは俺だもん、他のやつに真智を渡したくない」
本気で言ってるのか。
そんな言葉は言う必要はなかった。
本気に決まってる。
何年幼馴染やってると思ってるんだ。
こいつが本気かふざけてるかなんてわからないわけがない。
「ね、俺じゃダメ?俺もうとっくに真智に惚れてるよ?ずっとずっと昔からさ」
あぁ、やばい。
どうしよう。
こいつは幼馴染だ。
そういうのじゃない。
「真智が好きで好きで、独り占めしたいんだよ?」
本当は森光も丹下も他の友達も全部、邪魔で仕方ない。
俺だけの真智でいてほしい。
「なのにそんな意地悪しないで。俺を恋人にしてよ」
真智しか見ないよ。
真智の欲しいもの全部あげる。
いっぱいいっぱい愛してあげる。
だから、
「俺だけの真智になってよ」
微笑む顔、甘くて蕩けそうだ。
そんなことを考えている間に抱きすくめられてしまった。
失敗した。
手がひき肉まみれでまともに抵抗はできそうにない。
いや、この手で服に顔に腕に触ってやろうか。
いやいやちょっと良心が痛む。
「大好きだよ、真智」
…どうしよう。
夢見がち(妄想癖)変態幼馴染とか。
そんなの釣るつもりなかったんだけど。
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