アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
ケース2:不良(ただのシャイボーイ) 前編
-
幼馴染の告白に気まずさが溢れ出た俺は翌朝から彼を避けるようになった。
朝、一緒に登校するのを避けた。
休み時間のたびにトイレとかに逃げた。
昼、適当な理由をつけて教室から飛び出した。
森光も丹下も不審がってたけど構ってはいられなかった。
「…彰嗣、二人に言ってないのか?」
屋上に上がる階段の途中でふと思った。
森光も丹下も俺と彰嗣に何かあったのは察している。
でも、何があったのか…それはわかっていないようだった。
言えるわけないか。
俺だって言えない。
彰嗣に告られて気まずくて逃げてるなんて。
冗談としてでも言えない。
自嘲気味に笑って、俺は屋上のドアを開ける。
まだ肌寒いからか、人影はない。
「…飯食うか」
持参した弁当にペットボトルのお茶。
今日は昨日のハンバーグの残りとピーマンと卵の炒め物、ポテトサラダにウインナー、それからゆかりご飯だ。
朝ハンバーグを焼きながら昨日のことを思い出して気が滅入った。
今も、ちょっと入れたことを後悔している。
あのあと、大好きだって言っただけで彰嗣はそれ以上何もしなかった。
ニコッと笑って、お腹空いたって。
お前邪魔しといて何言ってんの。
軽く睨みつけてから、俺はハンバーグを焼いて。
付け合わせのミックスベジタブルを炒めて。
ポテトサラダを盛り付けさせて。
インスタントのカップスープ作って。
ご飯盛って。
無言のまま二人で飯を食った。
味気なくて不味かった。
ハンバーグ、食べる気しない。
他のおかずは食べきったのに、ハンバーグだけが手つかず。
ハンバーグ、彰嗣の好物。
ますます手を付けられない。
「…はぁ」
溜息を吐いて、弁当箱を膝から降ろした。
無理、食べれない。
ペットボトルのお茶を飲む。
目を反らしたところでなくなるわけもなく。
持って帰ってもどうにかするのは結局俺で。
「…捨てるか」
ゴン、という鈍い音が響いたのはそんな呟きをした時だった。
何だ何だと辺りを見るが異変はなかった。
でも微かに何か呻くような声が聞こえる。
どこだ、何だ。
キョロキョロと見回す。
貯水槽のある出入り口の上のところ。
偶然に見上げた。
チラリとのぞく、透けてしまうほどきらめく金髪。
悶絶、してるのか?
「だ、大丈夫…ですか…?」
届くように声をかければ、金髪が視界から消えた。
隠れたのか?
様子を窺っていると、暫くして恐る恐ると言う感じで顔が覗いた。
「!!?」
声にならない声っていうのかな…
オーバーリアクション。
飛び出そうなほど目を見開いて、そいつはまた頭を引っ込めた。
見たことのある顔だった。
透き通るような綺麗な金髪、つり上がった鋭い目、スッと通った鼻筋に薄い唇。
肌蹴たシャツの下には派手なTシャツを着て、腕とかにはゴツいアクセが光ってる。
恐ろしく悪目立ちする容姿で、この辺一帯で一番の不良とか言われてる男、
「…き、金獅子?」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
3 / 41