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それをやるなら女の子にでしょ!(チャラ男と) ※女の子出てきます
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放課後、後輩たちに出くわした。
森光と二人で歩いていた俺は可愛い声が聞こえて瞬時にそっちへ向いた。
「杉田せんぱーい!」
「ひなちゃん!」
「森光先輩もこんにちはぁ」
「よぉ」
元気なひなちゃんにふわふわしたみっちゃん。
この二人に本来なら高校生デビューしちゃったまりあちゃんが入って可愛い俺の中学からの後輩三人組である。
朔太郎はプラスアルファだ、まぁ慕ってくれるから可愛いけど。
「まりあちゃんは?今日は一緒じゃないの?」
「まりあは村地先輩の追っかけだよ」
「今日は確かバドミントン部だったな、全筋は」
まりあちゃんは中学の時から彰嗣のことが好きなのだ。
だからちょっと俺のことをライバル視している、酷い。
普段はいい子なのだが、彰嗣が絡むとすごい。
中学時代に彰嗣が県大会で準優勝したのを見て惚れたらしい。
あの頃は確か剣道やってたかな、確か。
あいつ何でか一年ごとに部活変えてたからな…有り得ない。
許可する学校も学校だけど。
「せんぱぁい」
「うん?」
「丹下先輩はぁ?」
「あー…丹下はね、うん…重要任務」
「…わかりましたぁ」
重要任務=オタク活動だとわかってるみっちゃん。
俺の言葉に頷いてふにゃんと笑う、ちょっと胸が痛む。
みっちゃんは丹下に憧れてる、入学当初に優しくしてもらったそうだ。
丹下もみっちゃんが良い子だと知ってるから挨拶とかはしてるみたいだけど。
如何せん三次元に興味がないので期待を持たせるようなことはしないようだ。
はっきりしているからみっちゃんも憧れまでにしているみたい。
一番可愛い後輩と思ってもらえたら嬉しいんだって、健気で本当に可愛い子。
俺なら全然ウェルカムむしろカモンなんですけど。
「先輩たちもう帰るところ?一緒に帰ろうよ!」
「喜んで!」
「杉田先輩、居酒屋じゃないんだから」
けらけら笑うひなちゃんが一足先に下駄箱へ向かう。
それを追いかけてみっちゃんも小走り、ぱたぱたしてるの可愛い。
あぁ、金獅子いなくてよかった(戦場になり兼ねん)。
「ひなちゃんは好きな人いるのかな?」
「知らねぇよ、興味ねぇし」
「あぁ、お前本当に勿体ない…イケメン死ね」
「イケメンとか、お前俺ともフラグ立てたいの?」
「…お前真顔で何言ってんの」
気持ち悪いわーと嫌な顔して下駄箱を開けて靴を取り出す。
脱いだ上履きを閉まって閉める。
振り返って靴を履こうとして、何故か俺は後退した。
ガツ、と後頭部とか肘とか踵とかが下駄箱に当たる。
「真智、」
「え、ちょ?」
目の前に森光の顔がある。
ハッキリした睫の長い二重の双眸。
パーマでアクセントをつけた明るい髪。
薄い唇、すっと通った鼻。
本当に整った顔してると思う。
左耳の横が微かに音を立てる、森光の右腕が当てられてる。
縮まった距離に息が上手くできない。
森光の息が鼻をくすぐる、それが余計に息をしにくくさせている。
「ドキドキするな、このシチュエーション」
「も…森光、ふざけんなっ、…離れろよ」
森光の胸に手を当てて押し返す。
何だこれ、どういう状況だよ可笑しいだろ。
女の子にやるとキャーってなるやつだろ?これって。
え、何で俺にしてるの?どうしたんだ森光どういうこと?
すごく混乱している俺に森光は笑うこともない。
無表情というか、真剣な顔。
唇に、森光の吐息がかかる。
触れそうな鼻先に思わず目を瞑った。
静止の声が震えて上ずって格好悪い。
「…も、森光…頼むから、」
「森光先輩何してるの!?」
やめてー!って絶叫する寸前だった。
ひなちゃんの悲鳴にも似た声で我に返る。
森光も何食わぬ顔で俺から離れて靴を履く。
呆然としている俺は下駄箱に寄りかかったままだ。
近寄って来たひなちゃんが俺の襟元を掴んでガクガクする。
「ちょっと先輩何で!?何で森光先輩に壁ドンされてるの!!?狡い!!!」
「ぇ、あ…えおああぁ、あ、ちょ痛、頭打って、痛いって!…ひな、ちゃッ!?…ぅぐ、」
激しく揺さぶられぐらぐらするし頭を下駄箱に打ち付けてるし。
痛いし気持ち悪いし恐いわひなちゃんの必死な顔。
てかひなちゃん、森光好きなの、そうなの。
色んな意味で俺ショックです。
森光の行動もひなちゃんの行動も。
「ひなぁー杉田先輩可哀想だよぉ」
「森光が歩けなくなるぞ」
しれっとした顔で言う二人にひなちゃんは渋々手を離す。
ちょっと不機嫌だし、俺が悪いの?何で?
元凶は全部森光なんですけど。
やるなら女の子にしろ、何で俺にやったの。
「な・ん・と・な・く、何となく」
「お前マジ死ね殺す埋まれ」
暫くひなちゃんにもライバル視されたのは言うまでもない。
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