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駄目だって俺の中の男気が言ってる。 ※お宅訪問的な何かの続き
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玄関を抜けて、階段を駆け上がって、部屋に飛び込んだ。
荷物を投げ捨てるとベッドへ飛び込む。
呻く自分の声が枕に吸い込まれていく。
あかん、これはあかん。
金獅子の優しい顔が頭から離れない。
優しく撫でる指の温もりが忘れられない。
そっと触れた唇の感触が忘れられない。
思わず伸びる指が唇を撫でる。
初めてではない。
でも、こんなにも意識したのは初めてかもしれない。
不意打ちだったけれど。
「…嫌じゃなかった、」
その事実がやけにショックだった。
金獅子と手を繋ぐのが当たり前になってて。
頬に触れられるのが擽ったくて。
抱きしめられるのだって、嫌だとは思わない。
「俺、どうしちゃったんだ…」
金獅子と一緒にいるの、あんなに恐くて嫌だったのに。
気づいたら慣れて、慣れすぎて。
安心感さえも感じてて。
金獅子、俺を好きだって…マジなんだ。
受け止めなけりゃいいのに受け止めてしまった事実。
かぁっと頭が熱くなる、顔も火照る。
彰嗣とか森光にされた時はこうはならなかった。
…状況違うか?
だってさっきの金獅子、めっちゃイケメンの微笑みだったし。
女の子がされたら腰砕けだぞ、あのシチュエーション。
男の俺でも落ち着かないんだから。
「ヤバイ、俺…このままじゃ絆される」
触れるだけの、幼いキスでさえこんなになるんだから。
これ以上を許したら、逃げれなくなる。
友達の一線は超えたらダメだ。
いや、そもそも友達なのかも謎だけれども。
「…どうしよう、」
距離をおけばいいのか?
きっぱりと言えばいいのか?
…目に見えてションボリする金獅子が目に浮かぶのだが。
「…あの顔には弱いんだよぉ」
無理だって、叱られた犬みたいな雰囲気出されたら怒れないって。
でもあぁいうのは許しちゃいけない。
「どうなんだよぉ…どうすんだよぉ」
情けない声を漏らす俺、カッコ悪い。
でもどうしたらいいんだかわかるはずもなく。
ぎゅーっと身体を縮こまらせて、胎児のように丸まって。
このまま消えちゃいたい、なんて。
消えれんなら、
金獅子の優しい笑みも、
手も、
唇も、
受け入れられんのに。
「あぁ…駄目だ、自分の気持ちわからん」
杉田の葛藤
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