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episode.5-2
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行くと連絡があってから数時間が経ったころ、騒がしくインターホンが鳴った。
ピンポンピンポンピンポーン…
「また五月蝿く…。はぁ…あーいーてーるー!!」
執拗い、五月蝿いと思うほどの連続的に押されるインターホンには眉根をキリリと寄せつつ一度ため息を吐きワンクッション置いて息を吸い込み声を張り上げて玄関の鍵は開けてある旨を伝えた。するとなんの迷いもなく玄関のドアが開き、振り向くと玄関には駿平の姿があった。
「よぉ、有言実行!来たぞ」
「本当だな…いつも通り五月蝿いご挨拶が聞こえてきた時は居留守使ってしまおうかと一瞬考えた」
「はっ!?えー、ひっどいなぁ。あ、これ…好きだろ?」
そんな他愛もない会話をし楽しそうに笑いながら過ごしていると突然紙袋を差し出された。手を伸ばして受け取り首をかしげて尋ねた。
「…これは?」
「は?自分で見ろって!」
「………」
それもそうか、と紙袋の中を覗き込み、入っていた箱を開けてみるとそこには12個ほどの無添加のマカロンがキレイに並べられていた。
「へ?…マカロン…!!俺だいすき、な、なんでマカロン?」
「別に、何となくプレゼント!…的な感じ。今回の突然の発情期でいつもより元気がない気がして…な」
「そっか、ありがとう。食べきれないから一緒に食べよう!…どれも美味しそうだから迷うなぁ…駿平はどれ食べる?」
プレゼントだとくれたマカロンはどれも美味しそうで目移りしてしまう。どれがいいかと悩みながら話しかけ尋ねると横から駿平の手が伸びてきてチョコレートのマカロンを取り口へ運ぶと一口頬張り、そしてすぐ乱暴にも胸ぐら掴み引き寄せられて唇もは塞がれてしまった。何かと思い目を丸くし驚きを隠せないと言う表情をしながら、今度はねじ込まれた舌から一口のマカロンが咥内へ送られてきた。そう、口付けでマカロンを食べさせられてるという状況が起こっている。
「っ!ん……う …っ、ふ…」
双眼を細め送られてきたマカロンを咥内へ留めたまま、駿平の胸元を両手で押し身体を退けると唇も自然と離れ、その一口のマカロンを堪能すべく味わいながら食べ、飲み込んだ。
「どうだ?美味しい?」
食べる様子をニコニコと笑顔浮かべながら眺めつつ、感想を聞こうと質問を投げかけた。
「っは、いきなりなんだ!…まぁ、美味しかった…。誤解するなよ!食べさせてもらったから、じゃないぞ。このマカロン自体が本当に美味しいからだ!」
「…わかった!わかったから。がーがーうるさい…。美味しいならよかったよ。俺もいっただきー!」
駿平は鬱陶しそうにしながらも手に残ったマカロンを自分で口に放り食べてしまった。それを見てればあの一口では足りないと、自ら手を伸ばしてピスタチオのマカロンを取り、豪快に丸ごと口へ運び両頬袋のようにマカロンでいっぱいにしながらも味わって食べたその姿は、「もっ、もっ…も…っ」と美味しそうに食べる 小動物のようで、食べ終えた駿平は『かわいい…』とその様子を眺めていた。
なんだ…あの…小動物のようなかわいい食べる仕草は…!ヤバい……抑えろ!抑えろ俺!──そう興奮する胸が踊る衝動を抑えようとひっしに訴えるように呟いた。
そんな視線にも気付かず、あまりの美味しさに食べる手は止まらず、両手にマカロンを持ち「the 食いしん坊」というスタイルを作り上げた。それを見た駿平はまたしても────
か わ い い…!!!もう無理…
両手にマカロンを持ち、嬉しそうに笑顔見せる姿に、我慢していたものが爆発し、【理性】ボタンがポチッと押されてしまった。食べようとするその瞬間、ガバッと勢いよく抱きしめた。
「…っ!?な、なんだよ…?」
「………」
抱きしめたまま聞こえてくる言葉も無視して首筋へ鼻を寄せスンスン、と匂いを嗅ぎそして口から舌をのぞかせその首筋へ這わせねっとりと舐め上げる。発情期は終わりを迎える時期だが、僅かに甘ったるい匂いが嗅げば分かる。
「まっ、て…く、すぐっ、たい…!ど、うした?」
「んー、甘くて美味しい匂いがする…食べてしまいたいよ、実都…」
身体を捩り、駿平の悪さする舌から逃れると距離を取るように両手を前へ出し問いかけた。すると、興奮で若干息が荒い様子が先ず目に飛び込んできた。そして開かれた口から聞こえてきたのは、欲を全面に押し出した野獣の様な言葉たった。
俺を?…いやいやマカロン…だよな?どちらとも言える回答に首をかしげた。
「あ、ああマカロン?美味しいよな、ほら…食べろ!」
マカロンを食べたいと言うことだったらいいなと、少ない望みをかけて苦笑いしつつ抹茶のマカロンを取り駿平へ渡そうと手を伸ばしてみた。
「実都…」
「は、はい…?」
「この状況でなんでマカロンが出てくるんだ…」
「へ?マカロンを…食べたいんだろ?」
「……はぁ、そこまで鈍感というか天然というか…本当に分かってない…、分かってないよ実都」
「な、何がだよ!?食べるって言ったらマカロンしかないだろ…?」
「本気で言ってるのか?他にもあるだろ、味わって食べるものが…」
「……?いや、マカロンだ」
「そっか、分からないなら実都、その身体に教えた方が早いな」
ここまで分からないのも不思議だと言うように深くため息をつくと軽く睨みきかせるように見つめてきた。
そして、答えが分からずキョトン、としていると抱き上げリビングのテーブルへ身体が乗せられた。
「ま、て…待て!!な、なんだこの状況…は?」
「分かるまで教えるよ、実都…」
理性が吹き飛び興奮隠せない状況で突発的な行動により起こったこの状況……頭はまだ理解が追いついていない。
こわいこわい…なんだよ…。…いや、なんか恥ずかしい…心の中が色んな感情で渦巻いていた。
「やだ!恥ずかしい…降りる、退け!」
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