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episode.5-3
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「退いたら降りて距離をとるだろ?」
「そりゃあ…だって、駿平は同期で…大切な奴で…だからあんなことは…ダメ…ダメだ!」
「大切な奴…?どんな意味だよ、その〝大切な〟って。俺は専門学校の時出会ってからずっと…実都のこと…っ!」
駿平は気持ちを前に出しながらテーブルへ身を乗せたままの状況からさらに追い討ちかけるように言葉で伝えつつグイグイと更に距離を縮め服の上から胸元を円を書くように撫で回した。
「ちょっ、撫で…るな!しゅ、ん…ぺ ぇ…っ!」
「は…、それは拒否してるのか?それとも誘ってるのか?…このまえ面白いAV観たよ、先生と生徒の設定のものだったんだけど…ワードが魅力的でな…」
そう話を切り出し始め、円を書くように撫でていたその手で胸の飾りを探るように指先に集中しなぞると身体に反応している証拠としてほんの少し飾りが形を持ちはじめ、見つけた胸の飾りに刺激の波を起こさせようと集中的に触りはじめた。そして、いつもと違う低い声のトーンで駿平は1部シーンを再現するように演じてきた。
「拒否を示しておきながら先生を誘惑するなんて、何処でそんな色仕掛けを覚えたんだ、実都。ここは学校…はしたない…誘惑する悪い子には先生からプレゼントをあげよう。指導…というお仕置き…好きだろう?」
「なっに、バカな芝居…っ!」
「口のきき方も悪い…厳しめな指導がご希望か?────なんてな!」
迫真の演技とでも言えようか、若干本気にしてしまったために駿平のニヤニヤと悪だくむ顔を見れば安堵したように肩を落とした。
「は、?…え?ああ、何だか安モンみたいな設定だったな」
「だろ?それなりに興奮はして観ながら抜いたけどな。で、この状況も冗談だから、ごめんごめん」
ニヤリと口角上げて笑うと目の前から退き身を解放した。
は?全部…冗談…?気持ちは…冗談だとは言わせない…ポッカリと穴が空いたような寂しさを感じた。
実都はテーブルから降りると五月蝿く鳴る胸のざわめきに「この変な感覚は…」とモヤモヤした気持ちが胸に留まってしまったことに気づいた。この日、これ以上は特に何も無く、駿平も『本当に発情期も終わりそうだし安心した。俺は明日も仕事だから帰るな〜』と、何事も無かったかのように帰って行った。
ガチャ…ン────
玄関のドアの閉まる音が部屋に響いたが、ここまで寂しく感じたのは初めてだった。駿平を追うことも出来たのにそれをしなかった理由は──今はまだ気づいていなかった。
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