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「失礼します…」
あいにく、
保健室の先生は出張でいない。
「…先生いないの?
…意味ないね…」
田沼君はそう言うと、
保健室のタンスをあけて、タオルとジャージを渡してくれた。
「…ありがと…」
タオルを受け取って、
頭を拭く。
「…落ち着いた?」
「うん。ありがと…」
オレは心からお礼を言った。
「…クラス…大丈夫なの?」
「…正直…ヤバイ…かなあ…なんて…」
「…なんとなく、
今日は皆の様子おかしかったから…
そしたら委員長泣いてたし…
リーダは??」
「…朝霧くん…は…」
特に関わっていない。
でも、
庇ってくれたわけでもなく、
男子に混じっていじめをしていた訳でもなく…
「…何やってんだか…」
「ん?なんか言った?田沼君?」
「いや?なんでも?」
「…委員長」
「え?」
「…僕は味方だから…委員長…」
そう言って田沼君は、
僕の頭にかかっているタオルごと、
引き寄せて、
軽く触れるだけのキスをした。
「…!?」
唇はすぐ離れて、
オレの制服に手がさしかかった。
「えっ…ちょっ…田沼君ッ・・・」
「…?着替えないと、
風邪ひくよ?委員長??」
「っ…」
「何?それとも、何か期待してた??
かわいーね。委員長」
「…うっ…うるさいっ…」
クスクス笑う田沼くんの笑顔に
オレは少しだけ元気をもらった。
少なくとも、一人じゃない。
そう思えたからだ。
だから、
涙はもう流さない。
そう決めた。
いつも、
遅刻常習犯の君だけど
いざとなったら、
助けてくれるんだね…
「…ありがと」
オレは頑張るよ。
負けない。
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