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第2章 8
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信之は、一歩間違えれば女の子と見紛う程の可愛らしいその顔立ちを、真っ赤に染め上げながら、隣に座る兄の表情を伺い見る。
そんな、美少年の愛くるしさなど、全く関心がない。と、ばかりに李土は、箸も止める事なく、あっさりと信之の期待を切って捨てた。
「文化祭の日はダメだよ。母さんと回る予定だから」
(げっ、)
(ばかっ!)
(何で言っちゃうの!)
そんな綾人の心の声など、届いていないのか、
こんな微妙な空気の中で、わざわざ綾人を名指しして、信之を牽制してみせた李土に、若干涙目になりながら視線を送るが、親の心、子知らず。とばりに、全く目など合いやしない。
しかし、
重度のブラコンを地で行く信之はと言うと、大好きな兄の爆弾発言に、こぼれ落ちそうな程大きな目をこれでもか、と言うほど見開いて、そのまま綾人へと顔を向けて来る。
「なんで、兄さんがお母さんと回ったりするのっ!?、お母さんはお父さんと回るんでしょっ!?」
当然、文化祭は大好きな兄と回れると思っていたらしい信之は、目を吊り上げて綾人を問い詰めて来たが、困った綾人が口を開く前に、
「その日は急な仕事が入っちゃったから、俺が綾人についててくれって李土に頼んだんだよ」と、
大河のお助けが入る。
それでも、楽しみにしていただけに、
やはりすんなりとは納得出来ない様子の信之は、
「・・じゃー、僕も一緒に回るっ、」
と、妥協案を出しては来たが、
それはアッサリ大河によって、またもバッサリ、いっそブッスリ叩き切られたのだった。
「ダメだよ。お前達が固まってたら綾人が目立っちゃうだろ。」
と、『大人の都合』と言う名の『暴論』を投げつけて。
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