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かずそう(花言葉小説)
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今日は、4月15日──偶然にも俺と彼の誕生日だ。一緒に過ごそうと、前日の夜から彼の家へ来ていた。ご飯食べたり、お酒で乾杯して飲んだり、もちろん吐息が重なるほど身体を密着させ汗を流したりもした。
「ん……」
時間は朝の6時、寝室の窓からは陽の光が差し込んで、朝の迎えを知らせてくれていた。目を覚ますと隣には恋人の彼がすやすやと穏やかな寝息を立てていた。ふわりと優しい吐息が僅かに頬を撫でた。
「可愛い寝顔……あ!」
寝顔を見たのは初めてで、あまりにも可愛い寝顔に本音がポツリとこぼれた。その本音が聞こえたのかなんなのか、寝ている彼は一瞬優しく笑みを浮かべた。
「なぁ、泉海……こんな事言うとそばに居てくれるだけでいいって言われそうだけど、寝顔見れて幸せなこの時間がこれからも続くように俺、守りたい。もっと、ずっとそばで……」
独り言のように呟きながら寝てるであろう彼の頭を指で梳くように撫でた。
「……ん、じゃあこのまま一緒に住むか?それと、守るの俺、千太郎はそばに居るだ……」
「ほらぁ、やっぱり起きてる。分かってるって、そばに居るだけでいいんだろ?でも……2人のことだよ、俺にも守る役目半分分けてよ、一緒に、同じ気持ちで、同じ温度で……同じ道歩みたい」
起きた彼を愛おしそうに抱きしめ、甘えるように頬擦りして上目で見つめ、寝起きから熱視線を送った。そして、愛おしい存在である彼と吐息を重ねるように柔らかく甘い口付けを落とした。
「んん……あ、ちょっ、朝からキスだなんて……誘ってるの?泉海」
「さぁ?千太郎のその表情が誘惑してきたんだ、全くイケナイ子だなぁ……」
『泉海となら永遠の愛なんてのも信じて歩んでもいいかなって思った……今』
『俺も言っていいか?……同じこと思った』
ピンポーン──
朝早いというのにインターホンが鳴った。対応してみると時間指定の宅配便だった。
「泉海……これ」
「ああ、来たか。この時間に届くよう頼んだんだ。俺らの誕生花がこの白いかすみ草、季節の赤いチューリップと合わせた花束……」
「そっか、泉海は花屋だもんな」
「ん、まぁ。なぁ千太郎、同じこと思ったってさっき俺言っただろ?その……俺と永遠の愛を築いて欲しい、結婚しよう」
彼はその花束を改めて持つと真剣な表情で想いの言葉を話してくれた。
「もちろん、よろしくお願いします」
受け取った花束を肩へと担ぐと無邪気な笑顔を見せ笑った。
「ひとつ言っていい?」
「なんだ?」
「泉海の寝顔みた時、幸せだって感じた」
「……見るなよ」
「先に起きた特権。可愛かった……ちょっと興奮した」
「興奮……?」
「泉海のな、……あの、吐息がこう……っ」
寝起きの甘い時間と思いも良ないサプライズで2人の誕生日は最高で最愛のものになった。
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