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殺意
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「そ、れは……」
「お前も、わかるだろう?愛されていても、ちっとも寂しさは埋まらないし、守られてぬくぬくと甘えていたって、つまらない」
独占欲が強くてな。誰も傷をつけない俺に俺は沢山傷つけて周りの過保護を裏切って、俺は俺だけのものなんだから、傷くらいつけさせろって。
俺が、俺に傷を付ける。するとなぜか、たまりにたまったイライラが飛んでいく――周りが大事にしているものを、自分で破壊する。いい気分だった。
「飼われているくらいなら、意思を持って自分を切り、血を流す」
普通だったら『俺は愛されてるんだ』という優越感やら幸せに浸る、そんな場面なのに。
壊してやりたいとしか思わないとそう言って彼は拳を握った。
「好きな人に殺されるの、憧れなんだ。かいせが殺しに来るなら、いつでもいいよ」
「俺は、そんなことしない」
「そう? 恨みとかないの、俺に」
「好きだ」
「そう……」
俺が自傷行為をやめさせているからなのかテーブルに向かうと、藍鶴色は、フォークやらナイフやらで、自分の皮膚を突き刺して遊んでいた。
「あはははっ、あははっ」
なんか、笑っている。
「こらこら」
急いでナイフとフォークを取り上げると、そいつは、ふえ、と泣きそうな目をした。
「そういうことしちゃいけません」
「……なぜ」
「痛いでしょ?」
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