アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
骨
-
誰か此処から出してくれたらいいのになんて幻想みたいなことを願ったりする。
昔の話。
夜、だった。
真っ暗が広がる空に、星が出ている。
きれいだなあと、思った。俺よりも。
愛というやつは、幻覚だ。目に見えないし、さわれない。味もしない。
好きだよ、と囁いて俺を殴り付けたのは誰だっただろう。
愛してるのわかって、と、俺を蹴って遊んでたのは、誰だっけ。
どうでもいい。
愛情は、痛い。
理解出来ない、悲しいもの。幻覚だ。
他人の愛情はいつもつめたくて俺を苦しめる鎖。
好きだよ、と理由にすればなんでも許されるのはお話のなかだけ。
馬鹿馬鹿しいなんて思ったりした。
「返してあげる」
他人に。
愛情を、ためしに返したことがある。
骨折してしまった。
軽いものだったが少し怖くなった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
29 / 164