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居場所
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体質については医者は爆笑した。
資料にありません。
異常はないから精神が病んでますね。
そうですか。
お前なんか。
なにもできないくせに。
ただそんな言葉だけを、聞いていた。
両親は共働きで家に居場所は無かったから、よく外で暗くなるまで遊んでいた。 そこで知らないおじさんに話しかけられたり、帰り道を待たれたりしたこともあったっけ。
ああ。
きっと、生まれたときから俺は終わってた。
そう思った。
死ぬのも、怖くないくらい。高校生だった俺は、そのまましばらく、深夜に町を歩き回った。
なんで生きてるかわからなくて。
なんのために生きたいかわからなくて。
ただ、ぼんやりしていた。
いつ死ぬのかな。
もうすぐかな。
逃げるように、いろいろと趣味に手を出したら、無駄なことだけできるようになったがそれだけだったし、特に逃げ道は無くて、お金もなくなにもない中、あちこちに居るたびに知らない人に絡まれ、適当な濡れ衣を着せられたりして、居場所はどこにも無かった。
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