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やること
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「……話を変えよう、なんか、色ちゃん少しイラついてる?」
「いや。デートって最近してないなと思って」
こいつからアウトドア派の発言が出るとは思わなかった。
「暇がないだろ」
「うん。というか、俺がやばいかな」
定期的に訪れる波のことだろう。他人を信用できる時期と、他人を異物と認識して拒絶反応があらわれる時期が交互にやってくるらしい。
無理もないことだった。普段、意識としては受け入れたつもりになっていても、なかなか、無意識の身体は一度受けた身の危険をゆるしはしない。
「外に出ただけで、殺っちゃうかもしれないってくらい高ぶるときがあるからね」
「……やめてくれよ」
「少しオーバーに言ってみただけ。自分で制御してるから、まだ、そこまでではない」
「それでも」
そのときの心を、読んだことがある。
壮絶な痛みと、全身を駆け巡るような苛立ち。
叫び出したいような悲しみ。それを圧倒して無理矢理押さえつける理性。
押さえるのでせいいっぱいのそれは、誰かに会ったとたん、崩壊するだろうというものだった。
「分解もさせてもらえないし。ストレスがたまる一方」
「他の解消法は、ないのか」
「さあ……でもさっきの二人がならんで歩くの見てたら、デートもいいなって」
「暇が出来たらな」
「うん……おれの予知では、まだ、少しやることがありそうだし」
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