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いい話
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「折角、いい話を持ってきたというのに……」
ひらっ、と、柳時さんがつまんだ指先には、チラシが一枚。
どうせ不動産とかのだろ?
と俺たちは、しぶしぶ、出口から振り向いたままそれを読んだ。
「結婚式場……?」
色が、俺の横でぱあっと目を輝かせる。
かわいいと思ったのは内緒である。大体、同性婚がゆるされる式場は国内にそう無いし。
「そ。そこで、開かれるパーティがあるんだが。
我々にも招待が来てね。飲み放題食べ放題、
式場とはいえ、未婚のカップルも歓迎しているよ」
「サンドイッチある?」
「あると思うよ」
色が、じっと俺を見ている。はぁ。
「行きたいのか」
「し、仕事だから」
あまりに真剣な顔で言うので思わず、ぎゅっと抱き締めた。
そのまま、俺たちに誘いをかける男を見つめて質問する。
「おい、リュージさん、魂胆はなんだ」
「バイキング」
なんだか、その発音だと黴菌みたいだった。
「……だけじゃ、ないんだろ?」
「あぁ。ランチもある」
「チッ」
「予約しなきゃならないんだが」
「っあぁ、わかった、見てやらぁ」
俺は半ギレで、彼の腕を掴んだ。
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