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時期 夢 シンクロ
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「どうして、こういう時期って、憂鬱なんだろうな」
色の頭を撫でながら、頭の中は真っ黒な記憶で発狂しそうだった。いつもそうだ。
発狂の一歩手前で生きている。笑っているフリをして、笑って、でも心の奥底で、どうしようもない感情と戦っている。
俺らは、理解されない。
だから吐き出すこともなく。
「思えば去年夏頃にかけて、頻繁に寝不足になったよ。
頭と足の方向、両脇から、四人くらいの男に、抱えられて「よいしょ」「せーの」 と言う声とともに、どこかに運ばれる夢ばかり見た」
なんとなく理解した。
これは同調していると。
寝ているおれと。
最悪だ……
運動会のなんとか運び競争みたいな、扱いに、なぜだか背筋が冷える気持ちと、ここがどこで、おれがいるのは誰なのかは、さっぱりわからなかった。
なにひとつ。
なにも、見えないのに、こいつ、運ばれてんだなというのだけが見えていた。
最悪だ。
塩の香りはしなくて、どこかの山とか、土である気はした。
情報は、それだけだった。
ときどき、嫌な夢を見た。
知らない誰かのような夢だった。
やってないのにと嘆きながら、遺体だけを運ばされる誰かの、夢。運ぶためのみに呼ばれたらしく、不運だ。
情報は、それだけだった。
夢占いなら、どういう結果だろう。
別の意味のある夢なら、どうしておれがみなくちゃならないんだろう。
嫌だ、もう嫌だ、嫌だ。もがいていると目が覚めて、寝不足のまま、今度は倒れるように眠る。
明け方の3時とかに寝ていた。
寝ながら見る遺体の夢なんて、最悪の一言に尽きる。
本当に死んだみたいに思えてきて、びびるのだ。
「夏が近づくにつれて、その夢を見なくなったけどさ、またあの日々を送る季節になんのかねぇ。ヤダヤダ」
式場、という言葉に色はなんだか楽しそうにしている。
俺が撫でている間、ぺたっと俺にひっついて、心地良さそうにしている。
かわいい……
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