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号
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帰宅して、荷物をまとめる。
外国にある海岸……
(オーストリアだったか、オーストラリアだったか)に、男が流れ着いていた場面がふいに脳裏に流れてきた。
彼は既に亡くなっており、もっていたのは、身の回りのわずかなものと一枚の暗号だけで……
身元はわからないままだった。
そのあと黒い服を着た男たちが解読に成功したんだっけ……
そんな映画があったな。
色は隣で着替えていた。俺たちも基本的にそういう暗号を作るからなのか、それが解けなければ仲間ではないという茶番までやっていたなと思う。
実際は、文面など触れるだけで読み取ることができればあってないようなものだが、成り済まし防止にはなっていたのだ。
以外にも例えば俺が 9 31 12184977と書いて「黄色、緑、ピンク」と読むようなことはそう何人もしない。
だからたとえば、この文面については、
112 8464713388 1122 147988 72228993342185469##
と書いておこう。
――黒くならないようにと気休めで。
あの暗号のシーンを思い出しながら俺はふとそんなことを思う。本物なら、例えばこの語り部なら簡単に解けるのだろうから聞いちゃって心配はない。
実はかつて俺らの成り済ましがあったことがある。そのときにも行われたテストだった。
『彼ら』は、見当外れな答えしか出せなくて俺らの説得力がしっかりと示された。
適当に、まだ綺麗げなスーツを身に付けていると色は洗面所の方に向かっていった。
……しばらくして、嘔吐するような大きな声。
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